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男の約束 7

「うるせぇつってんだよ、クソがっ!」 唾棄するように罵声を浴びせると、圭斗はそのまま店を出ようと入り口に向かって歩いていく。 「おい待て、椎堂」 「ついてくんな! つか呼び止めてんじゃねーよ、ウゼェ!」 慌てて立ち上がり、圭斗の腕を掴んで引き留めるが振り払われてしまう。どうしたもんかと短く息を吐きながら後を追うと、ホールの中ほどに来たところでいきなり圭斗がぴたりと足を止めた。 「わっ、と……なんだよ、いきなり止まるな……っ」 勢い余って圭斗の背中に鼻をぶつけてしまい、文句を言おうと顔を上げ、ハッとする。 「よぉ、椎堂。随分綺麗なツラした兄ちゃん連れてるじゃねぇか」 「……」 圭斗の行く手を阻むようにして立ち塞がるのは、見るからにガラの悪い三人の男達。 一人は痩せ型で背が高く、上から下まで真っ黒なジャージに身を包んでいる。 もう一人は体格が良く、短く刈った髪は赤茶色に染まっていて、耳にはピアスがいくつも光る。最後の男は坊主頭に剃り込みを入れており、ごついシルバーアクセサリーをこれでもかというくらい身に着けていた。 年の頃は、圭斗と同じか数個上くらいだろうか。いかにもと言った雰囲気を醸し出している。 ガラの悪い連中ばかりが集まっているせいだろうか。昔からこの界隈では珍しくもない光景なのだが、うっかり一般人が混じっていたらビビッて逃げ出すような面構えをしている。 時代が変わっても、こういう輩は何処にでもいるのだなと、半ば呆れた心地でその様子を何処か他人事のように見ていると、坊主頭がアクセサリーをじゃらじゃらと鳴らしながらスッと怜旺の方へと近寄ってきた。 「綺麗な兄ちゃん、見ない顔だな。コイツとじゃなくて、俺らと遊ぼうぜ」 無遠慮に腰に腕を回してきて、唇が触れ合いそうなほど近くに顔を寄せられ、プンと酒臭い男の息が鼻につく。 恐らくこの辺りを仕切っているチームの人間なのだろう。ニヤけた面構えで怜旺の周りを取り囲むと、下卑た笑みを浮かべながらジリジリと距離を詰めてくる。

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