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ふざけるな 4
それからどのくらい時が経っただろうか。明らかに具合が悪そうに見える怜旺を心配してか、チャイムが鳴った後答案用紙が集められ、教卓の上に並べられた。
「先生、大丈夫? 保健室連れて行く?」
俯いて顔を上げることが出来ないでいる怜旺の視界に都築の心配そうな顔が見える。
「……いい。大丈夫だ気にするな。しばらくじっとしていれば治るから」
「でも……」
「でも、じゃない。ほら、お前らさっさと帰り支度しろよ」
こんな惨めな姿をこれ以上人目に晒したくなくて、語気を少し強めに言い放つと都築はそれ以上何も言わず黙って自分の席へと戻って行った。
「あー、悪い。怒ってるわけじゃねぇんだ。取り敢えず、今日はこのまま解散でいい。お前ら全員気を付けて帰るんだぞ」
はぁ、と洩れ出る熱い吐息はどうしようもない。髪を掻き上げ全神経を集中させて、出来る限り平静を装う。
何人かの生徒がごくりと喉を鳴らす音が聞こえたがそこは敢えて気にしないようにして、怜旺は教卓の上で突っ伏した。
もう何も考えたくない。惨めで悔しくて、情けない。何よりも解せないのは、試験中も今も自分を苛み続けるこの肉体の疼きだった。
「よぉ。もうみんな出て行っちまったぞ」
最後まで心配そうにしていた都築が教室を出て行ったのと同時に圭斗が声を掛けてきた。
恥かしくて顔もまともに上げられない。惨めさと怒りと羞恥心が渦巻き頭の中でごちゃ混ぜになっている。
「なんだよ。もしかして感じすぎて立てないとか?」
「う、五月蠅い!!」
声を荒げ、キッと顔を上げた。だが、下半身に力が入らないお陰でどうすることも出来ずに、圭斗を睨み付けるのが精一杯だ。
「ハハッ、まぁよく頑張ったなセンセ。約束どうり央の動画は消してやるよ。……ほら」
ずいっと目の前にスマホを差し出され、いくつか入っている動画の中から該当するものを選び、圭斗自ら削除していく。
「それにしても……。あんなに大勢いる前で感じまくって……いやらしいなぁセンセー。何回かイきそうになってたろ」
「クソッ! お前のせいじゃないかっ!! こんなものを挿れろだなんてどうかしてる!!」
「でも、実際に挿入したのは自分だろ?」
「それは……っ、お前が強要したからだろうがっ!!」
思わず声を荒げた怜旺を可笑しそうに見つめ、くくっと喉を鳴らして圭斗は意地悪く笑って言った。
「強要? 別に俺はどっちだってよかったんだぜ? まさか本当にアンタが挿れてテストに来るとは思って無かったし」
「……くっ。ふざけやがって! 馬鹿にするのも大概にしろよ!!」
怒りが頂点に達し、思わず椅子から立ち上がった。その反動で体内にある異物の位置がぐりっと動いて、良いところを掠め一瞬にして身体の芯が蕩けるような感覚に襲われる。
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