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思い出 6
だが、そんな栄光の日々は長くは続かなかった。
大我の誕生日が翌日に迫ったある日、怜旺はアクセサリーショップへと足を運んでいた。
その頃は、学校にも行かずに大我の右腕としてバイク屋の手伝いをしていた為、少ないながらも小遣い程度の給料を貰えるまでになっていた。
自分を救ってくれた彼に何か贈り物をしたいと前々から思っていたものの、中学生の小遣いで買えるものなんて高が知れているし、普段アクセサリーを付けるような男ではない。
アクセサリーショップに来ること自体が初めてだった怜旺は店内をきょろきょろと物珍しそうに見渡していると、店多くにあるコーナーの一角に天然石ブレスレットというスペースがあった。
種類は様々で、その中でも一際目を引いたのが赤や黄色、オレンジといった暖色系の天然石が連なったブレスレットだった。
「あ、これ……大我に似合いそうだ」
大我がバイクを弄るときに良く着用しているグリーンのつなぎに、大我の明るい髪色をイメージした色味の天然石が良く映える。
値段も手頃だしこれでいいだろうと、自分用とブレスレットを2つ購入し意気揚々と仮住まいしている店舗へと戻ったのだが――。
裏手にある駐輪場にバイクを止め、こっそりと閉店後の片づけをしているであろう大我のもとへとウキウキしながら足を向けた。
正面から行かなかったのは、彼を驚かせようと思ったからだった。
買ったばかりのブレスレットを大事に抱え、早足で店舗へと続くドアを開く。
だが、何時もなら聞こえてくる大我の声がなく、そっと店内を覗き見た怜旺の目に飛び込んできた光景は想像もしていないものだった。
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