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もしかして……? 3
本当に今日は朝から散々だ。
遅刻こそしなかったものの、職員室に入った途端に鷲野から、何故圭斗と一緒に居たのかと質問攻めにあった。何故と言っても向こうから近寄って来たのだから答えようがない。
挙句に、「頑張ってください」と謎のニヤニヤとした笑みを浮かべながら謎のエール迄送られる始末だ。
一体、何を頑張れと言うのか。
「たく、意味わかんねぇ……」
ブツブツと独り言ちながら教室へ向かっていると何やら教室内が騒がしい。
チラリと中を覗いて見れば、クラスの中でもオタク的な分類に入るいつもは大人しい波多野がクラスのメンバー達に取り囲まれているのがわかった。
その輪の中には亮雅や都築の姿もあり、もしやまた虐めか? と眉を顰め、ドアを握る手に力が籠る。
もしも虐めなら、新学期早々制裁を与えなければいけない。
ざっと見渡しただけだがその中に圭斗が居ないことに何処かホッとしつつ扉を開いた瞬間。
「波多野、マジ凄くない!? 世界で限定10個でしょう? いいなぁ」
「!?」
教室の中に響き渡った麗華のそんな声に、怜旺はビクリッと体を強張らせた。
もっと空気がピリ付いているのかと思ったが、どうやらそれは杞憂だったようで……。
「そうなんだ。まさか自分でも当たるなんて思って無くて……」
照れくさそうに頭を掻きながら話す波多野の姿に、一気に脱力する。
普通に話してるじゃないか。と言うか、その会話の中にクラスメイトとの不和なんて一切感じない。
何の話だか内容が全く見えないが、取り敢えず波多野が何か希少価値の高い何かに当選した。という事だけは認識できた。
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