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好きなんだ 14
「なぁ、顔上げろって」
圭斗が脱力している怜旺の両手を取り、自分の身体を抱かせるように巻きつけさせた。
射精の余韻が抜けきらない怜旺はされるがままに圭斗を抱きしめる。
ゆっくりとベッドに押し倒され、肌と肌が触れ合う。首筋には汗が滲み、ほんのりと髪から圭斗が愛用しているシャンプーの香りが立ち上り鼻腔を擽り興奮を煽られた。
「あん……ぁっ、んん、ぅ」
言われるがまま顔を上げるとゆっくりと唇が重なって来る。
「ふっ……んん……ッ」
圭斗のキスは甘かった。今までの強引で性急な荒々しいキスが嘘のように、ゆっくりと時間をかけて舌を絡め合わせてゆく。
キスの合間にうっすらと目を開けると、圭斗が笑っていた。いつもの意地の悪い笑みでは無く、目尻を下げ愛しそうに自分を見つめるその表情に熱いものがこみ上げてくる。
気付けば怜旺は圭斗の首に腕を絡めて、夢中になって舌を絡ませていた。
「ん、ぅ……は、ん、んっ」
唾液で濡れそぼった舌を絡め合い、歯列をなぞり唇を甘噛みされ、二人の間で唾液が混じり合う。
その感覚すらにも怜旺は敏感に反応して、何度も腰を震わせて無意識に圭斗のものを締め付け甘い嬌声が溢れ落ちていく。
「はぁっ、んんっ」
唇が離れると二人の唇を銀の糸が結んで切れた。名残惜しむように自ら引き寄せ唇を触れ合わせ、甘噛みする。
「っ……」
圭斗が息を詰めるのがわかって、少しだけ気分が良かった。
圭斗の表情はくるくると変わる。今まで気付かなかったのだが、どうやらこの男は相当顔や態度に感情が出るタイプらしい。
それがなんとなく可笑しくて、怜旺はうっすらと微笑んだ。
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