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好きなんだ 16
「ほら、早く……っ」
「っ、んぁっ! ぁっ圭、斗……っぁあッ!」
促すように胸の尖りを摘ままれ、軽く爪を立てられて怜旺はたどたどしく圭斗の名前を呼んだ。
「――……っ」
その瞬間、ズンッと一際強く突き上げられ、物も言わずに一点に絞って責め立てられ視界が激しくスパークした。
「ぁあっ! 激し……っこんなの、んぁあっ、おかしくなる……っぁあっ!!」
脳天に快感が突き抜け、ガクガクと怜旺は身体を震わせて再び熱を放った。しかしそれでも圭斗の動きは止まらず、間髪入れずに何度となく突き上げられて絶頂に達する。
「なれよ、おかしくなっちまえ。俺が…全部、受け止めてやるから」
「ぁああっ! あ、ゃ……またっイ、く……っぁああ!!」
「っ、く……ぅっ!」
一際大きな絶頂に怜旺は無意識に圭斗のものを締め付けてしまい、圭斗が低く呻いた。
ほぼ同時に怜旺の中で圭斗が射精し、最奥に熱い飛沫を叩きつけられる。
「ぁっ……は、あっつ……」
奥を濡らされる感覚に身震いしながら怜旺は恍惚と熱い息を吐いた。
腹の中でドクドクと脈打ちながら熱い飛沫が最奥へ流れ込んで来るのが心地いい。圭斗の腕に抱かれ、中で射精されて悦んでいる自分が信じられなかったが、何故か嫌では無かった。
「はぁ……すっげぇ、気持ち良かった」
そう言って圭斗は怜旺の額にキスを落とす。その仕草一つ一つが怜旺を勘違いさせてしまいそうな程に甘く優しい。
何故だかもう少しこうしていたい衝動に駆られ、そっと腕を圭斗の首に絡めた。
その瞬間、テーブルに置いていた怜旺のスマホが着信を告げ、圭斗と怜旺はビクッと肩を震わせた。
この時間に掛かって来る相手なんか、出なくても誰だかわかる。
怜旺は舌打ちしたくなるのをグッと堪え、目の前の男に擦り寄る様に顔を寄せた。
「……出なくていいのかよ」
「……いい……」
圭斗は苦笑を浮かべながら怜旺の髪を梳いて来た。その心地よさに目を細めながら、怜旺は耳元に唇を寄せて囁く。
「今は……お前と二人きりでいたい……」
そう言ってチュッと音を立てて圭斗の頬に口付けた。すると圭斗は一瞬息を詰めた後、困ったように眉を寄せた。
「たく……それは……反則だろ」
「あ? 何言って……」
「そんな可愛い事言われたら、放したくなくなるだろ」
「なに言って……っ、ぁっ!」
怜旺が言い終わる前に、圭斗は緩やかに腰を揺らめかせ、硬度を増した性器で前立腺を擦って来た。
「はっ!? お、まっ! ふっざけんなっ! なんでまた大きくしてんだッ!!」
「仕方ねぇじゃん。勃っちまったんだし……。抜かずに何発できるか試してみようぜ? 時間はたっぷりあるしな」
「ぁっ、やめっ……ふざけんなぁッ!! ぁ、あっん!」
戸惑う怜旺を余所に、圭斗は再び腰を揺らし始める。中に放たれた精液が滑りを良くし、ぐちゅぐちゅと淫猥な水音を立てるのが余計に興奮を煽った。
「また気持ち良くしてやるからさ。な?」
そう言って圭斗は肉食獣の様な獰猛な笑みを見せ、怜旺は激しく後悔をしたのだった。
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