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確かめたい
それから数日経ったある日の放課後、怜旺は圭斗を人気のない校舎裏に呼び出していた。
秋の日はつるべ落としとはよく言ったもので、日が陰ると一気に気温も下がり始め、濃いオレンジ色の空が段々と闇を纏い始める。
まだこんな時間なのに、随分と日が短くなったものだなとぼんやり考えながら、怜旺は冷たい風に身を縮めた。
「珍しいじゃん。アンタが俺を呼び出すなんて」
「あー……まぁ。ちょっとな」
「で? 話ってなんだよ」
怜旺は躊躇いながら視線を上げ、夕日を背に自分の方を見ている圭斗を見た。
金色の髪が夕日に照らされてきらきらと輝いている。
男らしく整った顔に、切れ長の瞳。スラリと伸びた長い手足に引き締まった身体。自分が喉から手が出るほど欲しがっている物を生まれながらにして持っているこの男は、一体自分の何処に惚れたのだろうか?
ずっと考えているものの、未だに答えが見つからない。あの男が言うようにやはり身体だけ? という疑念がどうしても付きまとう。
怜旺はごほんと咳払いをすると、圭斗を真っ直ぐ見据えた。
「……椎堂」
「ん?」
「付き合ってくれないか?」
「…………え?」
圭斗の表情が固まった。 たっぷり数秒かけて器用に目をクリッと一回転させ
て、やっと言葉の意味を理解したのか圭斗は目を細めると訝しげな顔をした。
まるで、何を言っているんだ。正気かとでも言いたげに。
「……なんだよ。その顔」
「い、いや……だってさ……マジ?」
「いいから、取り敢えず行こうぜ」
怜旺は多くは言わず、乗って来た愛車からヘルメットを2つ取り出すと、その一つを圭斗に投げて寄越した。
「乗れよ」
「……お、おぅ」
未だに状況がいまいち呑み込めていない様子の圭斗に苦笑しつつ、バイクに跨りエンジンを掛ける。
「乗らねぇと置いてくぞ」
「ちょ、待てって……何処にいく気だ!?」
「んー、ちょっとな」
曖昧に言葉を濁して、早くしろと促すと圭斗は渋々とヘルメットを被り、恐る恐る怜旺の後ろに跨った。
ぎこちなく腰に手を回す姿が何とも初々しくて、背後に感じる温もりがなんとも言えず怜旺は喉奥で笑うとゆっくりとバイクを発進させた。
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