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確かめたい 5
「行くに決まってんだろうがっ」
「いいじゃんもう少し。つか、おばちゃん、あーいや……おねぇさん? そのソーセージくれよ。すっげぇ美味そう」
「あらやだ、お姉さんだなんて! もう、上手なんだからぁ」
頬に手を充て顔を赤らめながらいそいそと準備をするおばちゃんを見て、怜旺は内心舌打ちしたくなった。
「てめっ、何勝手に……!」
「荷物持ちの代金にしちゃ安いもんじゃね?」
「ぐっ……」
確かに圭斗の言い分も一理ある。しかし、問題はそう言う事じゃない。
圭斗とおばちゃんの交流をあまり長引かせたくないのだ。
「可愛い怜旺君とイケメン君にはとびっきりサービスしてあげる。怜旺君大きいの好きだったわよねぇ?」
香ばしい匂いを漂わせながら差し出されたジャンボフランクを見て圭斗が悪い顔を浮かべる。
「へぇ、確かに好きだよな、《《大きいの》》」
ニヤニヤと意味深な笑みを浮かべながらそう囁く圭斗に、顔が火照るのを感じた。
「ちが……っ」
「違わねぇだろ。何時も美味そうに咥えてんじゃん。獅子谷センセ」
わざと意識するようなことを耳元で囁きながら、受け取ったソーセージをわざとらしく咥えて先端をチロチロと舐める圭斗。
見せ付けるように赤い舌を伸ばしてソーセージに絡ませる様は、高校生とは到底思えない程扇情的だ。
「お、おまっジャンボフランクはそうやって食うもんじゃねぇだろクソがっ」
「ふぅん? じゃぁお手本見せろよ」
「……っ、いい加減にしろよ! このクソガキ!」
思わず怒気を含んだ声をぶつけるが、圭斗はニヤニヤと笑うばかりで引いてくれる気配がない。
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