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確かめたい 17
「なぁ、口あけろって」
今にも触れあってしまいそうな距離で囁かれ、戸惑いがちに薄く口を開くと、待ってましたとばかりにすかさず口内に舌が侵入してきた。
「んっ、ふ……」
熱い舌が絡み合い、互いの唾液が混ざり合う。舌先で上顎を擽られると、なんとも言えない甘い感覚がこみ上げてきてぞくんと怪しい痺れが腰にクる。
「ぅ……ン、ふっ」
歯列をなぞられ、舌の付け根を擽られると背中にゾクゾクと快楽が走り抜けていく。鼻から抜けるような甘い吐息が勝手に漏れてしまうのが恥ずかしくて仕方がない。
このままではダメだと渾身の力で圭斗の身体を押し返すと、二人の唇を繋ぐ銀色の糸がぷつりと切れそれが酷くいやらしいものに見えて怜旺は思わず目を逸らした。
「は、はぁ……っ」
呼吸を整えながら圭斗の顔を見上げると、切羽詰まったような真剣な眼差しで見下ろしていて一瞬ドキリとする。
「あー……クソッ」
ガシガシと乱暴に頭を掻いて何か言いたげに怜旺の首筋に顔を埋める圭斗。その行動の意図が掴めず、困惑するばかりだ。
「マジ蛇の生殺し……だな」
「あ?」
「いや、こっちの話。本当はもう少しこのままで居たいけど、胸糞悪いアンタの親父さんと鉢合わせしたら俺、多分ぶん殴っちまいそうだし……今日は帰るわ」
ギシリとベッドが軋む音がして圭斗の身体が離れていく。消えた温もりに心細さを感じて怜旺は慌てて起き上がると乱れた衣服を整える圭斗のシャツをきゅっと握った。
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