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我慢できない

「ん、んぅ……ッふ……」 静かな部屋の中に吐息混じりの艶声が響き、それに伴って徐々に大きくなる粘着質な水音がなんとも言えない淫靡な雰囲気を作り出している。 裏門からこっそりと学校を抜け出し、すぐ近くにあるマリンへと足を運んだ二人は部屋に入るなりお互いを求めるように激しいキスを交わしていた。 「学校抜け出すなんて、随分大胆な事するんだな」 「るせ……ッ、あそこじゃ誰に見られるかわかんねぇだろうが!」 文句を言いながらも背中に回した腕を解こうとしない怜旺の態度に、圭斗の頬がだらしなく緩む。 「そんな事言って、本当は早くヤリたいくせに」 「そっちこそ……もう我慢出来ないんだろ?」 挑発的にそう言って怜旺は圭斗の下腹部に手を伸ばすと、既に形を変えてはち切れそうなソレに触れ、形を確かめるようにゆっくりと撫で上げていく。それだけで圭斗の口から熱い吐息が漏れるのを聞いて、怜旺は妖しく瞳を細めた。 「……他人のブツなんて、触るのも嫌だったのにな……」 我慢が利かないのは怜旺だって同じだ。誰に言うでもなく呟くとズボン越しでも分かる程にガチガチに勃起した自らのソレを圭斗の太腿に擦り付けながら、前髪を掻き上げると少し背伸びをして軽く唇を重ねる。 「なぁ、早く……」 自らベッドへ誘導し、圭斗の背中に腕を回して引き寄せれば、圭斗もそれに応えるように怜旺をベッドに押し倒した。 キスをしながら圭斗が怜旺の上に覆い被さると、二人分の体重を受け止めたベッドが大きく軋む。 「随分積極的じゃん」 「……嫌か?」 「いいや? 寧ろ興奮する」 そう言いながら圭斗は怜旺の首筋に顔を埋めると、チュッと音を立てて吸い付く。同時にシャツの裾から手を差し込んで脇腹を撫で上げれば、小さく肩を震わせながら怜旺は圭斗の身体に手を回ししがみついた。 「あッ……ふ、んん……」 甘い吐息が怜旺の口から零れ、擽ったさから逃げるように身を捩る。しかし圭斗の手は止まることなく更に上へと這っていき、指先が胸の先端に触れた瞬間ビクンと身体が跳ねた。

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