223 / 342
我慢できない 4
「は……すげ……っ」
最奥に辿り着くと圭斗は一度動きを止めて吐息混じりの声でそう呟いた。しかしそれも束の間、すぐに抽挿が開始される。腰を小刻みに動かす圭斗の動きに合わせてベッドが軋む音と結合部から漏れるぐちゅぐちゅという淫猥な水音が響き、その音すらも怜旺の快感を煽った。
「しど……っ、ぁあっ! ん、はぁっあ、あっ」
「……堪んねぇな……。その顔……その声……、すげぇ好き」
そっと汗で張り付いた前髪を掬い上げられ、露になった額にキスをされる。
「アンタの全部が……好きで好きで堪んねぇよ……」
熱に浮かされたような、それでいて泣き出しそうな声色でそう言われ、甘い、優しい口付けが唇に降り注ぐ。同時に抽挿が激しくなり、怜旺は堪らず圭斗の背に手を回してしがみついた。
「あ、あ、あっ、んんっ!」
抽挿が激しくなると同時に口付けも深くなり舌が絡み合う。上も下も圭斗に犯されながら必死に圭斗の舌に応えようと自らの舌を伸ばせば、それに応えるようにきつく吸い上げられた。
「っふ……ぁッ! あぅ……っん!」
唾液を注ぎ込まれ喉を鳴らす度に腹の中が甘く疼き圭斗を締め付ける。その締め付けが堪らないのか、次第に抽挿のスピードが増していく。
薄っすらと目を開けると、照明を背に受け圭斗が余裕のない表情をしてこちらを見下ろしていた。
眉間に皺を寄せて快楽に耐えながらも、怜旺を愛おしむよう細められた瞳に胸が高鳴る。
それが堪らなく嬉しい。胸の奥からこみ上げてくる感情で胸がいっぱいになり、この溢れる想いを全て圭斗にぶつけるように圭斗の首に腕を回して引き寄せた。
「ん……っんぅ、あっ……お……れも……」
「ん?」
「おれも……、す、き」
はぁ、と熱い息を吐きながら途切れ途切れにそう伝えた瞬間、圭斗の身体が大きく震え、体内でどくどくっと熱く脈打つ感覚があった。
ともだちにシェアしよう!