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初デート……?

結局休憩時間いっぱい使って散々求め合った後、ようやく二人はホテルを出る事にした。 「腰痛い……死ぬ」 「だから悪かったって」 ヨロヨロと歩く怜旺の腰を支えながら締まりのない顔をさらす圭斗を恨めしそうな瞳で見上げる。 「てめぇ、ちっとは加減しろよ。何回も何回もサカりやがって。お陰で予定より遅くなっちまっただろうが!」 「でもアンタだってノリノリだったじゃん。最後まで俺のチンコ美味そうに咥えて離さなかったし、ヤってる時なんかすっげぇエロい声でもっとって喘いでたし……痛ッ!」 ニヤニヤしながら言ってくるので腹に肘打ちを喰らわせてやった。圭斗は大袈裟に痛がって見せるが本気で痛いと思っているわけではないらしく、ヘラヘラと笑っている。 「たく、可愛げがねぇの。ベッドの上じゃあんなに可愛かったのに」 「うっせ! あんなのは俺じゃねぇ!」 「いやいや、アンタじゃなきゃ誰なんだっつーの」 「っ、いいからさっさと行くぞ! 流石にそろそろ戻らないと……」 ニヤニヤしながら見てくる圭斗の視線を振り切るように踵を返し、学校へ向かって足早に歩き始めた。 「はいはい。全く素直じゃねぇなぁ」 文句を言いながらも圭斗は楽しげな様子で怜旺の後をついてくる。すぐに追い付いてきた圭斗は相変わらず緊張感に欠ける表情をしていて、怜旺はなんだか恥ずかしくなりチッと舌打ちをして視線を逸らした。 すると、視線の先によく見たシルエットを発見し思わず足を止める。 「ぅおっ!? 急に止まんな……って、何かあったのか」 「シッ! 静かに。 あれ、小春じゃないか?」 遠目ではよくわからないが、制服を着た黒髪の少女が年上の男性と歩いているのが見て取れた。小春の父親と言うにはちょっと若すぎるし、恋人と言うわけでも無さそうだ。

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