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初デート? 2
「小春の親父さんじゃないのは確かだな……。なんか揉めてねぇか?」
「あぁ……。あれナンパされてる、のか?」
見る限り、とても同意の上のデートとは思えない。それどころか小春の方が嫌がっているように見える。そもそも、何故こんな所に小春が居るのか。
「……ちょっと、行って来る」
「は? お、おいっ!」
怜旺が止める間もなく圭斗は二人の元へ駆けて行き、男との間に割って入った。そしてそのまま小春を引き寄せて自分の背後に隠すようにすると男に向き直る。
「うちの連れに何か用か?」
「いや、別に……」
「ナンパの常套句だな」
間髪入れずにそう返した圭斗に男は狼狽える。こう言う仲間思いな一面があるとは知らなかった。
今回は腰も怠いし、相手は圭斗だけで大丈夫だろう。自分の出番は無さそうだと判断し、怜旺は離れた場所からその様子を見守る事にした。
そう言えば、小春にはパパ活をしていると言う噂が以前にもあった。今回の相手ももしかしたらそれ絡みなのかもしれない。
文化祭を抜け出してパパ活とは大胆なことをするもんだ。まぁ、自分も似たような事をしているので強くは咎められないが。
「たく、何やってんだお前……」
「……ごめん。でも、ありがと」
男を撃退し、戻って来た圭斗は、面倒くさそうに頭を掻きながら小春の頭を軽く小突いた。小春はバツが悪そうな顔で素直に礼を口にする。
「別に。ただ、ああいうしつこい男は見てるだけでムカつくだけだし」
「ふふ、優しいね椎堂君」
「うっせ」
そんなやり取りをする二人を眺めていると、なんだか胸の奥がモヤモヤとしてきた。先程までは自分だけのものだと思っていた圭斗の優しさを他人が享受している。その事実に妙な苛立ちを覚え、怜旺は小さく舌打ちを一つ。
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