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捜索 5
新港に辿り着いた時には、既に圭斗達が近くの草むらで待機していた。
辺りは閑散としており人の気配すら殆ど感じられない。こんな所に本当に小春が居るのだろうか?
疑問に思いつつ、目立たない場所にバイクを停めると、急いで圭斗たちと合流をする。
「あそこの3番倉庫に小春が向かったって」
「……その情報の出どころは?」
「それは……」
何故かここで、圭斗が言い淀んだ。何かに戸惑っているようなそんな様子に、怜旺は思わず眉を顰める。
「何か、言えない事情でもあんのか?」
「そういうわけじゃねぇけどさ……」
「じゃあなんだ?」
きつい聞き方をしたつもりは無かったが、一瞬にして空気がピリ付くのがわかった。
一分一秒を争う事態かもしれないのに、勿体ぶるのは何故だろう?
数秒間重い沈黙が続き、辺りには気まずい空気が流れ始める。
麗華と都築は身を寄せ合い固唾を呑んで二人の様子を見守っている。
「なぜ、何も言わない」
「悪い。俺もちょっと混乱してて……。実は……なんでかわかんねぇけど、小春がここに向かったって教えてくれたの亮雅なんだ」
「八神が?」
全く予想していなかった人物の名が出た事に、怜旺は驚きを隠せなかった。
それと同時に、背後で小さく舌打ちが聞こえた気がして振り返る。
だが、そこに居るのは不安そうな表情をした麗華と都築がいるだけだ。
なぜ亮雅が小春の居場所を知っているんだろう? 今回の件の首謀者はあいつなのか? でも、だとしたら態々圭斗にヒントを与えたりするだろうか?
亮雅の目的がさっぱり読めない。
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