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捜索 6

「わかんねぇんだよ。小春は多分ここに居るつって、いきなり連絡寄越して来たかと思ったら、それっきりこっちからの電話には出ねぇし……。何がしたいのかさっぱりだ」 圭斗自身も困惑しているようで、頭を掻きむしりながら大きくため息を吐いている。亮雅がなにか事情を知っていそうだが、今から行って問いただすのは明らかに非効率的だ。 それよりも直接自分の目で確かめた方が早いと、圭斗も思ったに違いない。 だから、不確かな情報ではあるがここに怜旺を呼び寄せたのだろう。 なんだか頭が痛くなる話だ。もしかしたら、何かの罠かもしれないし、ただの大掛かりな悪戯かもしれない。  後者だったらまだいいが、もしもあの中に小春が人質として捉えられているとしたら、大人数で行くのはリスクが高すぎる。 「で? どうするんだ? 全員で正面突破すんのか?」 「バカかお前。少なくとも麗華と都築は戦えねぇだろうが。何があるかわからない以上、二人は連れていくわけには行かねぇよ。あそこには俺一人で行く。お前は、そこの二人を守っててやれ」 「は!? ふざけんな! なんでだよ!?」 怜旺の判断に、圭斗は不満げな声を上げた。 「なんで? じゃねぇ。最悪の事態を想定したらそれっきゃねぇだろうが」 「でも……っ」 「何度も言わせんな。もしもの時の為に、お前は残れって言ってんだ。今こいつらを守れんのはお前しかいないんだよ」 圭斗は俯きながら唇を強く引き結び、何かを考えているようだったが、拳をグッと握りしめ、俯いたまま力なく首を縦に振った。

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