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捜索 8

「どうしてって……、お前、麗華に意味深なメッセージ送っただろうが」 これは一体どういう事だろう? 男を足蹴にしたまま視線を小春に移動させると、彼女は小さく「あっ!」と声を上げた。 「あ、あれは……っごめんなさい! 違うの……まさか先生にまで迷惑かけてるなんて思わなくて……」 「まさか、自作自演とか言うんじゃねぇだろうな?」 思わず眉間に深い皺が寄り、低い声でそう尋ねると、彼女は首が千切れんばかりにブンブンと横に振った。 「そっ! そんなわけないじゃないっ」 「じゃあなんであんなメッセージを?」 「それは……その……」 小春はスカートの裾を両手でギュッと握り、気まずそうに顔を伏せた。余程言いづらい事なのだろうか?  「詳しい事は後で聞くとして、コイツはなんだ? こんな雑魚がお前の彼氏とかじゃねぇだろうな?」 押さえつけていた足を外し、髪を鷲づかみにして小春の目の前に突き出してやれば、男は「ひぃっ」と情けない声を上げた。暴れるかと思ったが力の差を自覚したのか、肩で荒い息を吐き出すだけでもう逃げようともしない。 「違う! こんな人知らない! 私はただ、麗華ちゃんにあのメッセージを送って此処に来いって脅されただけでその人は誰なのかわからない」 「あ? 脅された? ……おい。てめぇ……さっきガキに頼まれたとか言ってたよな? 誰が、何のために、こんなアホみてぇな事を指示したんだ?」 小春の話はイマイチ要領を得ない。それよりも、何か知っていそうなこの男に話を聞いた方が早そうだ。 そう判断した怜旺は、戦意喪失している男を倉庫の壁に押し付けて逃げ道を塞ぎ、襟首を掴んで更に締め上げた。 「しっ、知らねぇ! 本当だ。俺はただ言われた通りにしただけで……」 男はびくりと大きく肩を震わせると、蒼白な表情を浮かべながら必死に首を振ってそう答えた。嘘をついているようにはとても見えないが何か大きな陰謀が渦巻いているような気がしてならない。 「だから、誰に命令されたのかって聞いてんだよ」 「そ、それは――……ッ」 「獅子谷っ!!」 「きゃっ」 男が口を開きかけた瞬間、暗闇から誰かの叫び声と共に突然勢いよくタックルをかまされ、怜旺はそのまま地面に引き倒されてしまった。

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