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束の間 9

「そこ、やめ……ッ」 「すげぇひくひくしてんだけど? えっろ」 圭斗は唾液でたっぷりと濡らすと、今度は尖らせた舌を襞の内側にググッと押し込んで来た。ゆっくりと抽挿を繰り返され、鼻先が尻の狭間に当たる。自分の恥ずかしい部分を余すところなく見られているという事に羞恥心が込み上げて来て、堪らず枕を顔に押し付けて恥ずかしさを誤魔化そうとしたが、今度はその枕を奪い取られてしまった。 「おい……顔隠すなよ」 「無、無理っ」 そんなにまじまじと見られたら恥ずかしいに決まっている。しかも一番羞恥を伴う部分を舐められているのだと思うと尚更だ。 圭斗は枕をその辺にポイッと投げ捨てると、怜旺の膝を掴んでぐっと足を開かせてきた。 「ちょっ」 慌てて閉じようとしたが、待って貰えずいきなり熱い塊をねじ込まれる。 「ぅあっ、ちょっ、な、いきな……ッ」 「悪ぃ。俺も余裕ねぇんだって……」 ぬちゅっとローション代わりの唾液がいやらしい音を立てた。 いきなり奥深くまで入って来た塊に、息が苦しくなる程の圧迫感を感じる。しかしそれも束の間のことで、行為に慣れた身体は直ぐに圭斗の熱に馴染み、じんわりと快感を生み始める。 「はぁっ、やっぱきっつ……」 「ンぁっ、は……っぁ、あ」 ゆっくりとした抽挿で内襞を擦り上げられるとゾクゾクと快感がせり上がって来る。始めは少しキツかっただけだが、繰り返し粘膜を擦られているうちにどんどんと感度が増し、圭斗のモノに絡みつくように内壁が収縮する。 「あっ、んっ……んッ、ふぁ……っ」 少しでも声が洩れないように手の甲で口元を押さえようとしたが、それに気付いた圭斗に掴まれてしまった。

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