302 / 342
光明 5
それに気付いて怜旺はきゅっと圭斗の腕を握りしめた。
「変な気は遣うな」
「でも……アンタ、身体辛いだろ?」
困ったように眉を下げる圭斗の腕を引き寄せ、首に腕を回して耳元で囁く。
「俺がいいって言ってんだ。……それとも……。他の野郎に触られた俺とはもう、やりたくねぇって?」
「んなわけねぇだろ」
少し怒ったような声色が頭上で響き、間髪入れずに反論が返ってくる。
「だったら……っ! 消毒、してくれよ。俺は、お前のモノだって……実感させてくれ」
圭斗の首元に額を擦り付けて、消え入りそうな声で呟く。圭斗は怜旺の顎を指で掬い上げると、真っ直ぐに目を覗き込んで来た。
「後悔しても、しらねぇからな」
「しねぇよ」
顎を上向かされたまま、再び口唇を重ねる。先程よりも荒々しく舌が侵入して来て怜旺の舌を絡め取った。
「ん……っ、んんっ、は、んぅ……っ」
舌を吸われて、上顎を舐め上げられて。圭斗の舌の動きに翻弄されながら必死に食らいつく。二人の唾液が混ざり合って怜旺の口の端から溢れたそれを圭斗の指が優しく拭った。
ようやく解放された時にはすっかり息が上がってしまい、力無く圭斗の肩に額を押し付ける。お互いの早い心音が重なり合って鼓膜を震わせた。
自らの腰を圭斗の腿に押し付けて、誘うように腰を揺しながら圭斗の首筋に舌を這わせ、ちゅっと軽く吸い付く。
圭斗が瞠目して身体を離す。
え? あれ、もしかして嫌がられたか?
心配になって見上げれば、圭斗は困ったように自分を見つめている。
「……おま、あんま煽んなって」
「お前がよその女に取られたらいやだからな」
「んな心配しなくても、もうアンタだけだっつーの」
少しだけ怒ったようにそう言ってソファの上に押し倒される。
深く激しく口腔を貪られ、窒息寸前まで翻弄された。苦しくて顔を背ければ、熱い舌が耳孔を擽り、首筋、胸、腹、さらに下へと至る所に所有の徴が刻まれていく。
ともだちにシェアしよう!