309 / 342
光明 12
「ンナァ」
「!」
突然響いた鳴き声に、バッと顔を上げた。
「っ、レ、レオ!?」
「にゃぁー」
『にゃぁ』じゃない。いつからそこにいたのか、姿が見えないと思ってはいたが、金色の双眸がジッとこちらを見ている。
しかも、床に脱ぎ捨ててあった怜旺のズボンを咥えて、ゴロゴロと喉を鳴らしながら擦り寄って来るものだから、可愛いやら恥ずかしいやらで顔が一気に熱くなった。
「まぁ、良くね? 見られたっつっても猫だし」
「いや、良くはないだろ!?」
しれっと恐ろしいことを言って続けようとする圭斗から逃れようと腰を引き、肘で這って逃げようとしたのだが、すかさず腰を掴まれて引き戻されてしまう。
「いいじゃん。レオにもアンタが誰のもんか見せつけてやらねぇとな」
「んな……っ!?」
耳元で恐ろしい言葉を囁かれギョッとして振り向くと同時に顎を掴まれて唇を塞がれた。
「んっ、んんー!」
口腔内を舌で弄られながら、最奥に昂ぶりをねじ込まれ、後ろから激しく腰を打ち付けられる。
『レオ』に見られている。
そう思うと気が気じゃないというのに、圭斗は止めるつもりはないらしく、片手で怜旺の昂ぶりを握り込むと律動に合わせて上下に擦り上げ始めた。
「んんっ! はっ、ぁあ……っ」
くちゅくちゅという濡れた音が広いリビングにいやらしく響く。その音に耳まで犯されているような気分になり、怜旺は羞恥に耐えるように唇を噛みしめフルフルと首を振った。
「んっ、ン……っ」
「はぁ……っ、すっげ、締め付け。レオに見られていつもより感じてんだろ?」
「ちがぁ……やめっ、ぁあっ!」
首を振って否定するものの、その言葉とは裏腹に怜旺の中は圭斗のものをしっかりと咥えこんで離さないとばかりに締め付けを強くする。
「嘘つくなって。俺の食いちぎられそうなんだけど」
揶揄するように背中に口付けて来るのがまた悔しい。だが反論しようにも口を開けばあられも無い声を上げそうになり、慌ててクッションで顔を隠した。
ロード中
ロード中
ともだちにシェアしよう!