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決意
「……何か言う事は?」
風呂から上がった怜旺は、むすっとした顔で仁王立ちになり、ソファで寛ぐ圭斗を見下ろした。
「悪かったって」
「ほんっとに悪いと思ってんならそれ相応の態度ってもんがあるだろうが」
怒りに震える怜旺の髪はしっとりと濡れ、上気した肌には圭斗が付けた鬱血痕あちこちに散らばっている。
借りたバスローブを羽織り首にタオルを掛けたままの格好で腕を組み仁王立ちしていると、圭斗が困ったように頭を掻いた。
「だって、可愛かったし。すっげぇエロかったから止まんなくなっちまって……」
もごもごと言い訳をする圭斗に、怜旺の眉間の皺が更に深くなる。
レオが見ている前で何回したと思ってんだとか、リビングは嫌だとあれほど言ったのにだとか、いくら猫のレオだとは言え恥ずかしいものは恥ずかしいだとか。言いたいことは山ほどある。
だが、本気で抵抗すれば圭斗を止める事位出来たはずだし、嫌だと言いながらも途中からは夢中になってしまっていたのは自分なのだから圭斗ばかりを責めることは出来ない。
それでも、一言物申さねば気が済まないのも事実で……。
「はぁ……もういい」
溜め息を一つ吐いて、怜旺は諦めて圭斗の隣に腰を下ろした。バスローブの前がはだけている事に気付いたが、今更隠すのもどうかと思いそのまま脚を組む。
「機嫌直せって」
ツンと、横を向いた怜旺の耳に、圭斗が唇を落とした。舌で耳の形をなぞられるだけで股間が熱くなってくる。すぐに反応してしまったことが恥かしくて、怜旺はキッと圭斗を睨み付けると耳を手で押さえて距離を取った。
「てめっ、反省してないだろっ!」
「反省してるって。アンタが可愛いのが悪いんだって」
「お前の目は節穴か?」
怜旺は蔑んだ目で圭斗を見やると、わざとらしく溜め息を吐いてみせた。だが、相手はあの圭斗だ。そんな嫌味などものともせず、ひょいと怜旺の手を掴むと手の甲にチュッと音を立てて唇を落としてきた。
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