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決意 3

「そっか。じゃぁ住むとこ探さなきゃだな」 「あぁ。出来れば学校に近い所がいい」 「いいな、それ。ギリギリまで寝てられんじゃん」 「……お前と違って、俺はそんなリスキーな事しねぇ。つか、なんで入り浸る気でいるんだ」 さも当たり前のような口振りで言う圭斗に、怜旺が呆れて肩を竦める。 「だってさ、少しでも長くアンタの側に居たいし。もうどうせなら、此処に住めばいいんじゃね?」 名案とばかりに圭斗が目を輝かせてそんな事を言う。 「アホか。ご両親が居るのに居候なんて出来るわけ無いだろ」 なにを言っているんだとばかりに、冷たい眼差しを向ける。同棲するという選択肢を考えていなかったわけでは無いが、流石に圭斗の家族と一緒にと言うのは現実的ではない。 「ちぇ、いい案だと思ったんだけどなぁ。レオもアンタの事が気に入ってるみたいだし」 な? と圭斗がレオの方に顔を向けると、怜旺の足元でゴロゴロと喉を鳴らして寛いでいたレオが「にゃぁ」と鳴いた。 確かに猫は嫌いではないし、可愛いと思う。だが、先ほどの事もある為なんだか複雑な気分だ。 「とにかく。居候なんて御免だ」 怜旺はきっぱりとそう言い切った。いくら好きでも、その辺りの線引きが出来ない程子供でもないし、いつか叶うと信じて夢物語を追い続けるほど脳内お花畑でもない。 「俺は、お前の家族を壊したいわけじゃねぇんだ。お前もガキじゃねぇんだから、わかるだろ?」 「そっか。そう、だよな……」 どこか寂しげな声に、心が痛まないわけじゃない。だが、同情した所でどうにもならないと言うのもわかっている。 「ま、まぁ……。お前が無事に高校卒業出来たら……、考えてやらなくはないが……」 言っていて段々と恥ずかしくなり、怜旺は圭斗から顔を背けてボソボソと言葉を濁した。

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