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決意 7
「つか、その怜司って男幾つなんだろうな? アンタが高校位の時つーと40か50くらいか? 俺の親父と同い年くらいじゃね?」
「さぁな」
「40過ぎたオッサンが、未だにアンタに執着してんのかよ。いい加減諦めりゃいいのにな。けどまぁ、どんな奴が来たってアンタを渡すつもりはねぇけど」
「……っ」
少し照れたように、だが真剣な眼差しを向けられ、怜旺は堪らず息を呑んで圭斗を見上げた。
「ばっかじゃねぇの」
「は? な、なんだよいきなり」
唐突な罵倒に、圭斗が不満そうに唇を尖らせる。その表情がなんだかおかしくて、怜旺は肩を竦めながら圭斗の頭をくしゃりと撫でた。
「どんだけポジティブなんだよお前。ほんっと、馬鹿」
相手は肉体的ピークを過ぎた男とは言え、相当な手練れには違いない。
だが、そんな事は関係ないとばかりに言ってのける圭斗に、怜旺は苦笑を零してその額を人差し指で小突いた。
「なっ、てめっ……馬鹿馬鹿ってさっきから! 馬鹿って言う方が馬鹿なんだからな!」
ぶすっとした表情をして、子供のような事を言う圭斗が可笑しくて思わず吹き出すと、圭斗もそれにつられて笑った。
「はぁ……、なんかもう色々面倒臭くなっちまったな。気が抜けたっつーか」
ひとしきり笑い合い、怜旺は柔らかな表情のままそっと圭斗の頬に手を添えた。
「ほんと、馬鹿だよお前」
「なっ……」
「でも、そんなお前に惚れた俺も、相当な馬鹿なんだろうな」
文句を言おうとした唇をゆっくりと塞ぐと、一瞬驚いた表情をした圭斗がすぐ嬉しそうに目を細める。触れ合わせるだけの口付けを数回交わしてから、ゆっくりと唇を離すと二人の間に銀糸が引かれた。
「やっぱ教師向いてねぇんじゃねぇの? アンタ」
クスっと笑いながら言われ、怜旺は圭斗の頭を軽く小突いた。そして、ゆっくりとその身体を押し倒し、馬乗りになる。
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