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終焉 2

「今は言い合ってる場合じゃねぇだろ。此処は親父さんの言うとうりにして、亮雅を連れて行ってやらねぇと……」 「それはわかってる。……だけどっ!」 「文句があるならまた今度言えば言いだろうが! 此処は一旦引こう。……怜旺の親父さん。アンタ、まさかとは思うけど、そこに転がってる奴殺して、自分も死ぬ気じゃねぇよな? 本当にコイツに対して少しでも悪いと思ってんなら、死んで楽になろうなんて考えんな! んな事したら、コイツがもっと苦しむことになるってわかんねぇのか!? この場を全部引き受けてくれるっつーのは感謝するけど、もっと自分の息子と向き合う事考えろよ! ……怜旺だって、アンタが死ぬことなんて望んでない筈だ!」 「……っ、圭斗……」 圭斗の叱咤に、一瞬驚いたように目を見開いた父は何かを悟ったかのように目を見開き、それから、悲しげな表情を浮かべて二人を見比べると、少しの沈黙の後、静かに項垂れ、ゆっくりと口を開いた。 「悪かった。……本当に俺は、駄目な父親だな。全部キミの言う通りだ。自分の弱さに負けて、結局最後まで息子の事を気遣ってやることも出来ないなんて。……すまなかった」 謝罪の言葉と共に、父は怜旺に向かって深く頭を下げた。 「怜旺、お前が教師になると言い出した時。本当は凄く嬉しかったんだ。……でも、俺はこんなだし、親らしいことなんて何一つしてやれなかった。その上、お前に恨まれても仕方ないような事を沢山して来た。許されるなんて思ってない。でも、このまま死んだら、きっと天国に居る里奈に叱られてしまいそうだな……」 父はそう言うと、自嘲気味に笑い、顔をあげて怜旺を見つめた。 「怜旺……。お前は本当に、母さんに似て来たな。強くて、優しくて……。でも、お前は優しすぎる。それだけが少し心配だが……きっと、彼が居れば大丈夫だろう」 「任せとけ。俺がコイツのことはちゃんと守るから。絶対、離さねぇし。もう暴走させたりしねぇ」 「な……っ、ば……っ、おまっ、何言って」 「ははッ、それは頼もしいな」 真っ赤になって慌てる怜旺をよそに、圭斗は父親とがっちり握手を交わすと、安心させるようにニカッと微笑んだ。 「んじゃ、後の事は頼んだぜ。親父さんも約束は守れよ!」 それだけ言うと、圭斗は怜旺の肩を抱いたまま亮雅の元へと駆け寄った。

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