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終焉4
何となくくすぐったくて首を縮めると、すかさず額にチュッと口づけられる。
「っ、ば……っか! こんなとこで……!」
「誰も見てねぇよ」
恥ずかしくてもがいても、圭斗の逞しい腕は怜旺を離そうとはしない。それどころか益々引っ付いて来るので、仕方なくため息を吐いて大人しくする事にした。
「俺さ……」
「ん?」
「アンタの強さは知ってたつもりだったんだ。でも、実際初めて見るアンタの姿は想像以上に凄くてさ。あのまま止めないと、アンタが何処か手の届かない所に行っちまうんじゃないかって、マジで怖くなっちまった」
「……もしかして、もう嫌になったのか?」
付き合っていられないと匙を投げたのだろうか? 圭斗に限ってそんな事はないと信じたいが、もしもそうだったら……と思うと不安で胸が締め付けられる。
しかし、怜旺の心配とは裏腹に、圭斗は緩く頭を振ってそれを否定した。
「まさか。益々惚れ直したつーの。俺の嫁、最強なんだぜってみんなに大声で自慢したいくらいだ」
ニッと笑う圭斗の顔は、嘘やお世辞を言っているようにはとても見えない。
「っ、よ、嫁とか言うな! バカ」
「照れるなよ。事実だろ」
「だから! それが恥ずかしいつってんだよ!」
赤くなった顔を見られないようにそっぽを向きつつ圭斗の腹に肘鉄を喰らわす。
「ぐ……ッ。痛ぇな! たく、すーぐ殴る」
「うっせ! もう帰る!」
居た堪れなくなって圭斗から半ば強引に離れ、スタスタと駅に向かって歩き出す。
「あ! おいっ! 待てってば」
慌てて追いかけて来た圭斗に、後ろから腕を引かれたかと思うと、そのまま背後から抱きしめられる。
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