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60 大翔視点
「行ってきまーす」
父さんの写真は仏壇とリビングの食席あと
玄関だ。
すでに出勤した母さん。
玄関にあるのは警察の制服姿の写真だ。
家族写真とは別人なくらいキリッとした真顔だが俺には怖くは見えない。
刑事だったくらいしか知らないけど父さんは誇りだ。
登校中悠里がいた。ヨシっ幸先がいいぞ。
「おはよう」
「大翔おはようまた一緒だ嬉しい。
昨日はごめんね。
あんな言い方してこんな調子じゃ恋人としての挨拶出来ないよ…」
朝から落ち込んじゃって、頭撫でてあげた。
「大丈夫俺もついてるから心配しないでね。そして草下だね。今日何もなきゃいいけど。」
「うん、仮に改心してても許せるか分からないけど、何もしてこなきゃそれでいいから」
「うん」
「ねぇ大翔、明日またデートしよ?
今度こそ2人きりになりたい」
「わかった、今日の帰りにどこ行くか決めよ?」
「うん、大翔とならどこでもいい」
悠里と別れて教室へ入った
「おはよう」
「うぃーす」「はろー」「おはよー桐原」
昨日の事思い出すとアレだけど
「おはよう千尋」
「おはよう大翔」
なんか千尋もちょっと違う。
昨日のせいか可愛さ増してる気がする。
「昨日は色々ごめんね」
「気にすんな…
あのさ大翔明日さ家に来てくれないか?」
2度目のお誘い…でもまただぁ
「ごめん明日も用事があって」
「お願い、明日だけでいいからお願いだから家に来て」
泣きそうでこの必死な剣幕。
明日逃したら次は水曜。土曜は唯一悠里と一日中居られる貴重な日だ。
でも千尋がここまで必死なのも気になる。
「わかった明日お邪魔させてもらうね」
千尋は複雑な顔してたが
「ありがとう昼用意するから
昼前くらいに来て」
「わかった」
千尋ってどんな家族なんだろう?
その辺は明日ゆっくり聞いてみよう。
でも悠里にどう断ろう。
まさか千尋の家に行きますなんて言えないよな……ハア
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