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今日は和食だった。
母さんとよけ並びで飯塚さんって人は母向かいに座った。
「桐原さんはね、とても仕事熱心だけど手が空いた時はいつもあなたの話ばかりしてるのよぉ《私のせいで息子には負担をかけている》とか《昨日は大翔とちゃんと話せたわ、本当の笑顔見れたわ》
《あの子恋人がいるみたい嬉しいような悲しいようなちょっと複雑ねw》とかもう毎日聞かされるわよ」
「もう久美さんやめてよ恥ずかしい」
母さん職場でも常に俺の事気にしてくれてるんだ。
「母さんは職場ではどんな人なんですか?」
「そうねぇ仕事モードに入るとね、怖いわよww
犯罪者には容赦なく制裁する鬼検事。
だけどしっかり深く反省してる者や冤罪を防ぐためにきっちり判断する能力。
警察と連携して綿密に捜査する。
誠実で公平で尊敬もしてるわ。
私が組んだ検察官の中でお母さんはとても優秀よ」
なんか母さんの仕事姿見てみたいな
「検察官というのはね、判断力が大事なの。
1人の人間の人生がある左右してしまうから、
もちろん犯罪者は裁かれなきゃいけないけど、逮捕される人間は様々な人がいる、だからこそちゃんと見極めなきゃいけないの」
検察官ってやっぱ大変なんだ
父さんはどうだったんだろ?
部署や階級すら知らない、刑事ではあったらしいだけ。
母さんも話さないから俺も聞かなくなった。
「どうもご馳走様でした。
今度はお礼に私がぜひ」
「あらっ気を使わないで、楽しかったわ。
明日はゆっくり休んでね」
「ありがとうございます、大翔くんも会えて良かったわ。また会いましょうね」
「はい飯塚さんもお気をつけて」
「本当に今時の中学生?フフでは失礼します」
「久美さんはご主人はいるけどお子さんがいないのよ、だから余計子供好きなのね。」
確かに久しぶりににぎやかな食事だったし、飯塚さんも明るくていい人だった。
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