愛する者、愛してくれた者どちらも傷つけた最低野郎だ。 別れも覚悟はしてたがいざ言われるとかなり辛い… 日曜は雪哉くんがパパが会いたがってるから昼食に来いと言われマンション前に車が迎えに来てた。 昨日の今日で気乗りはしなかったが父親の機嫌損ねて悠里達に何かあったら困るし、もう別れた今行くのに躊躇はない。 「いらっしゃいませ大翔様、こちらへ」 「こんにちは綾乃さんまたお邪魔します」 千尋も帰ってきて食事が始まった。 千尋パパの質問は俺の父さんの事が多かった。庶民の仕事とかを知りたがったのかな？ 千尋に挨拶して後 帰りはまた送ってくれたが、 今日の運転は細マッチョみたいな男の人だ。 屋敷の警備とかボディーガードの人なのかな？ 「立花さんのボディーガードさんとかですか？」 「・・・・・」 「すいません、余計な事でしたね」 「屋敷管理係長の相澤だ！気が済んだか？」 「は…はい！」 屋敷管理係長？相澤さん？偉い人なのかな？ 言い方もキツイし、嫌われてる？ 綾乃さんとは全く違う。 仕事柄もあるんだろうけど。 「着いたぞ」 ガチャン…降りてから 「ありがとうございました」 お礼言ったけど、言い終える前に発進してたけど最後目があった時の顔が怖かった。 恨んでるみたいな感じだった。 昼間は外出してた母さんも帰ってきて夕食 「悠里くんと仲直り出来ると良いわね」 「うん、父さんいたらなんて言われたかな？」 「パパなら諦めず決して逃げるなそう言うんじゃないかしら」 「そうだね」 LINEは全く繋がらないし、既読も付かない。 番号の電話も拒否されてるようだ。 完全に拒絶された。 それほど本気だって事だな… 登校時も悠里には会えなかった。 「おはよう千尋」 「おはよう大丈夫か？顔色良くないけど」 「夕べ眠れなくてね」 「松丸だろ？ アイツ少し変わった気がする…… 陽気だった心が抜けちまったみたいな」 「そうなんだ、、全部俺のせいだよ」 「違う俺達のせいだよ、なんかあれば言っていいよ。友達なんだから」 「うんありがと、ところでさ相澤さんだっけ？めっちゃ怖かったけど何者なの？」 「ああ、アイツはウチの屋敷管理係長、 つまり屋敷内では１番偉いんだ。 俺もよくは知らないけど要人警護や警備任務を昔はやってたらしい。 後これは小耳に挟んだ程度だけど、 あるパーティーをウチでやってた時にパパと社長が話してたんだ。 何千人もいる立花グループの社員の中でも 知ってる人は少ない裏の部署があるみたい。訓練を受けたプロの特殊部隊。 立花グループの警備隊ってとこかな。 警備や警護…またはよくある恐ろしい事も多分やってる。 でも選ばれるのはごく少数で屋敷の警備達も所属してるとは限らないんだ。 でも相澤はその部隊所属してるらしい…… 前は中田さんって優しいおじさんが係長だったんだ。 だけどこの前突然辞めて新しく来たのがアイツなんだ。 親父とは親同士も同じ関係で相澤は生まれてから高校卒業まではウチの屋敷で育ったんだ。小学生の頃から将来の補佐や警護役として付き添い役をやってたんだ」 「なんか立花グループも色々あるんだね。 なんか俺嫌われてるみたいなんだ。 送って貰った後一度目があったんだけど顔が恨んでるような怖さ感じたんだ」 「そうなんだ…こっちも続きがあってね。 親父には小学校で一目惚れした人が居たらしくてその人にいつも一緒だったらしい。 小中高何と全部同じクラス。 大学は学部は違うけどいつも一緒にはいた。 優しくて強くていつも悪い奴から守ってくれたんだと嬉しそうに言ってたよ。 その人も両思いで陰で付き合ってたらしいよ。 でも相澤も親父に恋愛感情があった。 だから恋人だったその相手が憎いみたい。 何度も邪魔したり、時には親父を巡って殴り合いの喧嘩したり、俺のじいちゃん達を味方にして近づかないよう脅迫させたりと他にもたくさんあるらしいし、 かなりその相手も苦労したらしいよ。 親父曰く顔が大翔に似てたんだってさ、だから相澤は何となく嫌気があるんだと思うけど気にすんな」 「お父さんとその相手とは結局どうなったの？」 「大人になっても付き合いは続いてたらしいけど親父は家柄もあるから政略結婚したし、その後相手も結婚して30半ばに相手は親父に別れを切り出して別れたんだとさ。 親父は最後まで反対していたらしいけど 俺らが生まれてからそんな経たずだと思う。全部親父から聞いた。 でもお母さんに愛情はなかったみたいで ずっとその人が好きらしいよ。 多分別れた今もその人を……」 「なんだかドラマみたいな話だね。 顔かぁ…俺顔は父さん寄りなんだよね。 まさかその恋人ウチの父さんだったりしてねW」 「だったら凄いな親子同士の恋ってなんか素敵だな」 「まぁ父さんからそんな話聞いた事ないし、まぁないだろうけどね」 「皆さんおはようかん、朝の会始めちゃいまーす」 今日は岡田先生の陽気さに有り難みを感じる。 それより悠里だ なんか嫌な予感がする。 この先どうなるんだろう