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98 悠里視点

俺達に知らされたのは目が覚めてから数日後だった。丁度俺らも忙しかったのと大翔がショックで少し精神状態が良くなかったらしい。 「皆来てくれてありがとう小百合さんも」 「楓さん…ひろちゃんは具合どうですか?」 「意識は戻ったんだけど突き落とされた瞬間と痛みを鮮明に覚えてるから最初はかなり錯乱したの、やっと少し落ち着いてきたわ。 今はまだ寝たきりだし、完全に介護で生活が必要だけど、リハビリがいつ出来るかね。今の精神状態じゃまだ強要も出来ないし、目覚めて数日だから時間が必要ね」 「ひろちゃんは身体的には元通り動けるようになりそうですか?」 「手術と治療である程度は回復してるし発音も少しずつ良くなってきたわ、足はまだ動かせないし、利き手もまだ包帯は付いてる。衝撃が草木で多少和らいだのが不幸中の幸いだそうよ。打ち所悪かったら一生寝たきりもあり得たから」 「大翔に会えますか?」 「勿論よ、本当は今の精神面を考えて病院側は今は家族だけと提案したけど。 悠里くんに会うのが1番の薬だと思うの。 だから大翔を支えてあげてほしいの、 早く回復して退院して学校に戻れるようにね」 綺麗な個室に大翔は頭が上がった状態ベットに無表情で横になってた。 真横まで行き 「フゥ…ひろと?悠里だよ」 「・・・・・」 「大翔に謝りたくて来たんだ」 「ゆ…うり?」 発言しづらそうだけど反応してくれた。 「うんお帰りなさい、 晴翔もお母さんもいるよ、大翔ごめんね。 ちゃんと仲直りしたかったの。 俺許すからだから大翔にも許してほしいの。 もう一度二人でやり直そう?大好きだよ」 「アッ…ウウッ……アーーー」 突然大翔が叫び出した 「大翔大丈夫?どうしたの?」 「大変…悠里くんナースコール押して! 先生呼んでもらうわ!」 「は…はい!」ナースコール押そうとしたら 「まって…」 「大翔どうしたの?」 「ハァハァハァ…やっと声でた…少しずつ…だけど…声だす練習してたから、ごめん大声だして、悠里、はるも…ありがとうハアハア… 来てくれてハァ」 「ひろくん、良かったぁ本当心配したんだからね!」 「ひろちゃんお久しぶりね、目が覚めて本当に良かった。これからは身体治して退院出来るようがんばるのよ?」 「はい…ありがとう…ござい…ます」 「少し2人きりにしてあげましょうか?」 「俺も居たいけど今日は譲るね」チュッ 久しぶりの2人きりだ 「俺も許すよ…悠里…ごめんね。俺リハビリ…ハァ…頑張るから…応援してて」 「やだ、介護手伝うし、リハビリも付き添うよ。恋人として…もう離れたくない」 チュッ…ウウッ…レロッ…レロッ…チュッ 「ハァ悠里ありがとう、それにしても…今7月なんて浦島太郎だよ…ねえ教えてこれまでの全てを。母さんは俺のために…ハアハア何も言わないけど何かあったんでしょ? 草下の事覚えてるよ」 「…うんでも大翔の精神面考えて言うなってお医者さんもお母さんもだから言えない」 「お願いだから悠里全て教えて? いつかは知るんだ。早めに聞いておきたいし、悠里が側にいれば怖くないから俺を信じて」 俺は大翔が転落してから今までの全てを話した。主犯が智樹だった事も……大翔は動揺したが 「ハァハァハァ…智樹だったなんて…ハァ俺また悠里を傷つけたんだ。呑気に寝てる間に…」 「違うよ、智樹は大翔を…だから大翔のお母さんが作戦立てて捕まえたんだ。 ショックだけどアイツは大翔を…許せない。でも凄かったよ? ドラマ…主婦の勘のあの有名な主人公みたいな桐原検事だった」 大翔ママが大好きで尊敬してるみたいだ。録画してるから大翔と見たことあるし、たまに再放送してる。 まぁ現実ではあの日は特別で普段はその場では語らないらしいけど。自分は担当検事にはなれないから言える事も言っておきたかったらしい。 「不謹慎だけど見たかったな。 必死に悠里も助けてくれたんだねありがとう。俺夢でね父さんに会えたよ。 全部は覚えてないけど、一緒に行くって 言ったら叱られたよ。 辛くても逃げずに生きなさい!って」 「大翔のバカ!何俺をおいてお父さんに付いて行こうなんて考えて!ブゥー」 「久しぶりフグモード見れたな…ハァ…いつもの悠里に戻ったね、良かった」 「フグモード言うな、皆に変わったって言われたし、自分でもおかしかったよ本当。あっ千尋も心配してたよ」 「えっ?千尋って悠里?」 「友達になったからかな名前呼びにしたんだ。最近は泳ぎ教えてくれるんだ。 奏太も紹介して仲良くやってるよ。 思ったより気に入ってたみたいで、 マーメイドちゃんとかからかってさ」 「なら良かったよ」 「ゆうちゃん今日は帰りましょうか」 「うん、大翔また来るね大好き…チュッ」 「ひろくん、早くよくなってね…チュッ」 俺も晴翔も軽くキスした。 「はるちょっと身長伸びたね、皆ありがと、母さん悠里に全てを聞いたよ。 俺も受け入れるからね」 「全てって悠里くん話したの?」 「ごめんなさい……」 「俺が問い詰めたんだよ、 知りたかったから……俺は大丈夫だよ。 リハビリ頑張るからさ」 「まぁ確かにいつかは知る事だし貴方は強い子だものね」 「楓さんひろちゃん達なら乗り越えますわ。 信じてあげましょ?」 大翔が帰ってきてくれて本当に良かった。 もうこんな事件2度と起きてほしくない。 いつも大翔ばかりがこんな目に合うのはひどいよ。 ところで大翔のお父さん、 大翔を帰してくれてありがとうございます

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