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遂に来た始業式
今日は母さんも一緒に行くことになった。
久しぶりに見たが俺あんな高いところから
落ちてよく生きてたな……
なんか高所恐怖症になったかも……
ドクン!ドクン!
近づく度に震えてきた。怖い…怖いよ
《ドスッ》やっぱり怖い…吐き気が
ハァ…ハァ…ハァ
《落ち着け大翔…ゆっくり息をしろ…》
ウエッ…ハッフゥー、少し楽になった。
今のは父さん?…ありがとう
「大翔大丈夫?
やっぱりまだ早かったのよ今日はかえりま」
「大丈夫だから母さん行こう!」
職員室にて
「桐原くん本当に良かったわ。
先生安心しました」
「桐原くん退院おめでとう無理せずにな」
岡田先生や校長始め他の先生たちから拍手が起きた。
「今回の息子の騒動学校の皆様には
ご迷惑ご心配お掛け致しました。
本日よりまた宜しくお願いいたします。
あと息子は頭部も打ってますので体調の変化だけは気にかけてあげて下さい」
「勿論ですとも。
学校側もその様に対応いたします。
体育も過度な運動は控えさせますので」
「それじゃあママも仕事行くわね。
夜なるべく早く帰るけど少しでも体調悪くなったら絶対我慢や無理しちゃダメよ?
直ぐママに連絡してね」
「分かったありがとう母さん」
「じゃあ桐原くん教室行きましょ?
皆まだ知らないからびっくりするわね。
何かあったら先生に何でも言ってね」
今日は岡田先生と一緒に教室に入った。
まるで転校生の気分だ。
案の定皆呆然と見てるし、ザワツキ始めた。
千尋しかしらないんだからそりゃそうだ。
意識が戻ったまでは学校中知ってるらしいけど。
「皆さんおはヨーロッパー…
ご覧の通り桐原くんが退院しましたー」
ハイテンションさは変わらないけど、
前よりは落ち着いた感じだ。
まぁあの事件の被害者の担任だもんな…
色々大変だったろう。
「桐原久しぶりだね」「大丈夫か?」
「桐原くん退院おめでとう」
「事件ヒドかったな」「何でも言ってね」
「皆落ち着いて…気持ちは分かるけど
桐原くんは頭の損傷もしてるからあまり無理はさせちゃダメよ、後先生達も勿論気にかけるけど皆も体調を…
席近い人は特に気にしてあげてね、
始業式は体調を考えて出ずに先程お母様と
登校されたからなの、じゃあ席にね」
「は…はい」
先生が出た後皆よって来て質問責めで疲れた。
落ち着いて皆戻り始めてから前の席の千尋が
「大丈夫か?」
「うんありがとう、またよろしくね」
「一緒に来て」 「えっ?うん」
人の出入りの少ないトイレの個室に入ったら
チュッ…ウウッ…レロッレロッ…チュッ//
「ハァ…ずっと寂しかったよー…グスッ、
ずっと会いたくて堪らなかったんだ。
意識戻らないかずっと心配だったんだ。
この前は遠慮したけど、本当に良かった」
抱きしめてあげながら頭撫でた
「心配かけてごめんね…
千尋も辛かったんだよね?
もう大丈夫だから…
でもごめん悠里とやり直すって決めたんだ。
仲直りもしたからもう2度と裏切りたくないんだ。だから…」
「ヤダッ!やっぱり俺も諦めたくない…
俺大翔が好き…ずっと側に居てほしい…
でも大翔がOKするまでは待つから、
綾乃さんも会いたがってるから近いうち来てね」
「千尋の気持ちも分かった。
お家は招待してくれたら行くよ。
千尋パパや雪哉くんはちょっと苦手だけど、
千尋泣かせたら大変だしね」
可愛さからやっぱり抱きしめてしまう
チュッ…チュッ…レロッ…レロッ…チュッ///
「せめてキスは許して?」 「うん」チュッ
始業式のため今日はすぐ終わった。
バレー部の田中が
「復帰は難しそうだな、お前とまたプレーしたかったよまた出来るようになるといいな」
「ありがとな田中」
千尋と廊下出たら
「大翔千尋」
「ウィース大翔、マーメイドちゃん」
「マーメイドって言うなウザイしキモい」
なんか聞いたことあるセリフだ…
「じゃあな」 「また明日」
千尋と別れたあと
「体調はどう?」
「初日だからちょっと疲れちゃった」
「あんま無理すんなよ、じゃあ俺はお先に、あとはごゆっくりー」
「もう奏太のやつ」
「フフ…悠里こそ色々あって大丈夫?」
「俺は大丈夫だよ。
大翔が俺の元に帰って来てくれたから、
もちろん智樹のことは俺も奏太もショックだったけどアイツがしたことは許されないし、大翔のお母さんの言ったように償わなきゃいけないから」
悠里ちょっとたくましくなったな
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