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111 大翔視点

チーン 「ご無沙汰してます桐原警部補」 3人は今父さんの仏壇に手を合わせてる。 リビングに通してソファーに奥側に3人座って貰い、一応紅茶作って出した。 「ごめんなさいね、突然押し掛けた上に気を使わせてしまって」 「いえ、それで大事な話とはなんでしょうか?」 「今から言う話は絶対に他言しないと約束してほしいの」 「急に来て言われてもいきなり約束は出来ません。話の内容にもよりますし」 「まぁガキの口約束なんて当てにするだけ無駄だろうがな」 この倉田とか言うめっちゃ強面刑事嫌な性格だ 「そう言わないの、 じゃあ改めて私達は警視庁の刑事。 とある事件を私達は捜査してるの4年前からね…この3人と協力者だけで、つまり検察や警察の指示なく単独で捜査してるの」 「どういう事ですか? そういえば皆さん部署が違いましたよね? 指示なく捜査って勝手に調べてるって事ですか?4年前って父が亡くなった年ですが皆さんは父と知り合いなんですか?」 「全て話すわね。まずお父さんが 本庁捜査1課の刑事だったのは知ってる わね?」 「父さんが捜査1課の刑事? 知りませんでした。 刑事って事しか教えてくれなかったんです。仕事の話は家ではしませんでしたから」 「あの桐原主任がね…君の事はよく聞いていんだよ、優しくていい子だって自慢してたなぁ」 安藤って若い刑事さんは陽気な感じだ 敵意は感じない 「この際だ教えてやろう、親父さんはなぁ 警視庁刑事部捜査第1課桐原班主任警部補だ」 長いな 「捜査1課…桐原班…警部補、父さんは偉い人だったんですか?」 「私達3人当時は桐原班のメンバーで 桐原主任の部下だったのよ… でも4年前主任が亡くなった事で桐原班は 解散した」 「で僕らはそれぞれ謎の異動させられた。 突然ね。理由は僕らと桐原主任が捜査してた事件に関係があると思ってるんだ。 主任の指揮のもとで上層部からの命令を無視して単独に4人で動いたんだ、でもその後1人で単独捜査してる最中に 桐原主任は亡くなったんだ」 「どういう意味ですか?」 「つまり…ごめんなさいね。 貴方のお父さんはただの偶然な事故ではない可能性が高いの」 「えっ? それって父さん殺されたんですか?」 ショックで倒れそうだ 倉田さんは耳掻きながら 「間違いねーよ…報告書は不審だらけ。 田舎で交通事故だ?なのに田舎の所轄のバカ担当は犯人が通報して自主もしたからと形式的に検死しただけで事故と断定し、事件性を疑わなかったんだ。 だが不思議なのはこれだけじゃねーよ。 遺体の損傷はあまりに少なかった、なのに胸に多少修復してはいたようだが大きく損傷した傷跡があったそうだ。 だがなよく調べたら車による損傷じゃなかったし、心臓に穴が開いてたそうだぜ……つまり銃痕だ……誰かまでは安全上のため言えねーが最近ようやく聞き出せた。 大金と家族を人質にされ泣く泣く偽造に協力したそうだが、記録は全て消されていてな。 立証が出来ねんだよ。もっと早けりゃな。 事故で即死だったと言うならかなり損傷はする。恐らく自主した犯人も奴らのカモフラージュだろ、自供後は黙秘したままだったみてーだし…で殺人の可能性が高いって事だ」 「私達の捜査はある連続失踪殺人事件の調査が始まりだったの。 桐原班の捜査していく中、 ある大企業が関与してる疑いが浮上した。 その企業は警察も中々手を出せない程強大な権力を持ってるのよ。 会社も表向きなだけで、裏ではマフィアに近い組織が後ろ楯にあるそうだし、銃や麻薬…殺人に収賄に脱税、裏取引、密輸、罪状挙げたらキリがないくらい危険な連中なのよ。 表も裏の権力者達にも顔が利くそうよ。 そんな強大な敵にある意味桐原主任は執着 して捜査を続けた。 俺がやらなきゃいけない…って言ってたわ。 今は私達が単独とはいえその企業と桐原主任の死亡について捜査してるから既に警戒されてるかもしれないけど」 「父さんは会社の事調べたから殺されたんですか?じゃああの母さんだったら不審に思ったはずですよね?」 「桐原検事ね、勿論警察にもっと調査しろと要請してたけど何故か直ぐに事故と認めてそれ以降何も動かなかったみたい。 これはあくまで多分よ…その企業に脅迫された可能性があるんじゃないかしら? 例えば貴方に危害を加えるとか… 実際バックに大物や裏組織がいくらでもいるから」 「奴らならするだろうな。 逆によく今まで何もなかったな小僧。 すぐ近くに居てよー、 向こうにもとっくにバレてるはずだぜ、 桐原んの息子だとな」 「それどういう意味ですか?」 「立花グループって聞いたことあるだろ? 大翔君の同級生の立花千尋の父親が会長だ!」 えっ?千尋の父親の会社が? ならつまり千尋パパが父さんを…殺したの? 「そんな千尋のお父さんがいくらなんでもそこまでするなんて!」 「正確には死亡推定時刻は立花孝之には アリバイがあったけどね。 でも彼ほどの実力者ならどんな人間を使って力と金で操れるでしょうがね。 それで話とは。 桐原主任は亡くなる最後の連絡で私達に立花グループを潰せる鍵を手に入れたと。 それを今は念のため隠してる……とだけ言って切れてしまったの。でも連絡から亡くなるまでには1日あったし、何故直ぐに警視庁に提供しなかったかまではは不明だったけど」 「それからは捜索や立花グループの調査も続けてきたが鍵の行方も彼らの尻尾も掴めないんだ。 たった3人で動いてるからもあるけど、 上層部の中に内通者もいるみたいだしね。 警察内でも監視されてる上 実際バラバラに飛ばされ桜木警部補以外は1課から外されたんだ。でも逆に他部署での情報共有が出来るのようにもなった」 「だけど調査の過程で最近掴んだの、 貴方が立花家に出入りしてる事がね。 もしかしたら貴方が鍵を持ってるかもしれないと」 「俺が鍵を?いや貰ってないですよ」 「もう1つ教えておくわ。 貴方のお父さんと立花孝之は幼なじみの親友だったそうなの。本人は教えてくれなかったけど捜査の課程で小学から大学まで全部一緒に通う程仲良しだったみたい。 今思うとだから立花グループにはこだわっていたんだとは思うの」 えっ?父さんと千尋パパが親友? そんな話初めて聞いた。 「色々話して頭が混乱させちゃったかもしれないわね。ごめんなさい、でも私達も早く解決させたいの、それで心当たりないかと思って聞きに来たの、何か貰ったとか」 「父さんから貰った物なんていっぱいありますし俺は殺されたなんてまだ信じられないです、 それも千尋のパパや会社が犯人だなんて……」 千尋パパは多少分からなくはないけど… それでも千尋のパパだし、父さんの大事な親友だったなら尚更おかしいよ 「オイ!こっちは何年も前から調べ続けてきたんだ! 親父さん死んで悔しいのは小僧だけじゃねんだよ! それともなんだ、ダチだから庇いてーのか?オメー警察舐めんなよ!」 さっきからこの人なに? まるで俺が犯人みたいな言い方して 「そんな俺はただ!」 「やめなさい倉田さん言い過ぎよ! 本当にごめんなさい。 今日はもう帰るわね。名刺も渡しとくから。 1つお願いがあるの立花家に出入りできる人間は限られてる貴方は桐原主任の息子だからかは知らないけど出入りを許可されてる。 鍵が見つかるまで様子を探ってほしいのよ。 何か聞いたり見たりしたら私に連絡を頂戴ね。そして鍵も念のため探してみてはほしいの。 もしも発見したらすぐ私に連絡して。 向こうも鍵を狙ってるから貴方も気をつけて」 「わかりました、でもあくまで俺は父さんのために協力するだけですから…千尋の家族も出来たら疑いたくないのが本音です…ごめんなさい」 「やっぱり親子ね。 桐原主任も温厚、誠実で優秀な刑事だったわ、貴方も優しい所受け継いでるわね、もちろん出来る範囲でいいから無理はしないでね」 父さんこれでいいのかな?

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