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休日のためか、よく見かける体操しに来ている様子の高齢者の他に、幼稚園に入っているかいないか程度の年齢の子達が、砂場やブランコで思い思いに遊んでいる元気な声が聞こえた。 "あの人"との間に出来たあの子も、あの子達と同じくらいの年齢だったはずだ。どんな言葉を喋り、どんなことをして遊ぶのだろう。 そして、物心がつく前からいない母親のことをどう思っているのだろう。 「今日は賑やかだな」 「はい。寒いというのに、元気いっぱいに遊んでいて、楽しそうですね」 小さく微笑む。しかし、その眼差しが寂しそうなのは、本人すら気づいていなかった。 「子どもというのは、こういう公園で遊ばせるものなのか」 「⋯⋯? ええ、大半はそうかと思います。今の私と同じく気晴らしになりますし、運動神経に繋がるかと思われます」 姫宮も第二の性のことは全く知らず、伸び伸びと育っていた幼い頃、よく母親に近くの公園に連れて行ってもらったことがあった。 今視界に入る子ども達のように、鉄棒してみたり、ブランコを高くまで漕いでみたり、砂場で山を作ってみたりと自由に遊んでいたことを、おぼろげに思い出していた。 「私は、公園というものを行ったことがなくてな」 いわく、勉強と習い事漬けの毎日で、昔から子どもらしい遊びをしたことがなかったという。 何もかも持っていて、持て囃される地位についている人間だと思っていたから、子どもらしさという自由を捨てさせられて、努力という努力をしているとは思わなかった。 「それと同時に、自分の気持ちを表情で伝えたり、相手の感情を汲み取るのが未だに出来ない」 「それは本当に思っているのですか」 「どういうことだ」 何気なく言葉が出てしまったようだ。「なんでもないです」と言ったものの、「続けろ」と言われ、おずおずと言った。

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