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6.※ヒート、自慰
雅と共に言い放たれた、「あのような所で働いている人間が愛されていると思うな」に酷く傷つけられ、今後一切あの人のことは思い出さず、別の幸せに浸ろうと思っていた。
『大河』という名前もそうだったが、本当はあの人は、姫宮のことを──。
「······何もかも、手遅れだというのに」
あの人らしき人物を指先でなぞる。
小口は聞いていなかったのか、それとも聞こえない振りをしてくれているのか、聞き返すことはなく、それよりも新しいスプーンを持ってきてくれた安野と軽く会話をした後、
「気になるようでしたら、持っていっても構いませんよ」
「え、よろしいのですか」
「今日は違う遊びをさせますので」
「わたしは大河さまの様子を見てきます」と言って、部屋から去っていった。
「······勝手に持っていっていいのですかね」
「いいと思いますよ。小口の気遣いと、大河様が見せたかったものですし」
不安げに安野を見つめると、彼女は安心させるように微笑んでくれた。
と、つられて頬を緩めていたようだ.、大げさに驚き、心底嬉しそうにする彼女を見て、苦笑してしまうのであった。
二人の言葉に甘えて、大河の可愛らしい絵を自室のベッドに腰掛けて見ていた時だ。
腹奥が疼く。
それが次第に、後孔から蜜が溢れていくのを感じ取り、それと同時にぞわりと寒気にも似た甘い疼きを覚え、熱い息を吐いた。
来てしまった。
大切な宝物を脇に置きながらも、少しずつ自分が自分でなくなっていく感覚になっていき、我慢しきれなくなった姫宮は捲った裾を口に咥え、ぴんと勃った薄ピンクの粒を力を加えて摘んだ。
「んッ! ふぅ、んんッ!」
元々敏感である部分が、発情期 によって、さらに敏感となっているため、少しでも力を加えると、過剰に反応してしまう。
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