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7.※自慰

弄っているうちに、座っていることすらままならなくなり、ベッドに寝そべる。 が、布団の感触が肌に触った途端、むず痒さを覚え、胸の腫れた粒を擦りつける。 「ん······っ、ふぅ、んっ、ん、んんっ、うっん······っ!」 腰が震え、軽く達した。 まだ足りない。もっと······。 白濁とした液が下着に付着した不愉快さもあり、窮屈に感じていた自身のを晒し、ソレを扱く。 白い液が潤滑剤となって、腫れ上がった自身を痛めずに済むが、二度目を達してもなお、疼きが治まらない。 寂しい。一人てシているのが惨めだ。体での繋がりが数えられないほどにあっても、自分で隠した首輪の下には誰の証にもなっていない。 発情期(ヒート)なんてあっても、惨めになるだけだ。 ふと脳裏に、髪を撫でつけた鋭い目つきの人物が浮かんだ。 あの人ならば、大切に自分を愛してくれることを約束してくれた。 あの人ならば、いつしか首筋に噛んでくれる······。 臀部を高く上げ、収まることを知らない自身を布団に擦りつけつつも、誰かに受け入れてもらいたい萎みから垂れる愛液を指に絡ませ、奥へ奥へと進める。 「んぅ······は、う······ん、ん······っ」 届かない。奥に欲しい。物足りない。 「······け、い······っ、さ······」 「······つらそ、だな······」 一瞬、動きが止まった。 顔を上げるとそこには、思い描いていた人物がうっすら頬を染めて見つめていた。 姫宮のフェロモンに充てられた影響なのだろう、苦悶に歪む顔に、今にも噛みつかんばかりに、されど理性で押し殺しているようで、必死になって抑え込んでいる歯を覗かせている。 「愛賀と、大河に会いに行こうとしたが······そうか、発情期(ヒート)が来たんだな······っ」 お前の匂いがいつも以上に感じると、口元を抑えつつ、頭に手が触れた。 知っている不器用で優しい手。この手で、体の隅々まで暴いて欲しい。

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