36 / 38

作者の話

こんにちは、ささやです。 このお話を見てくださっている方、まずはありがとうございます。 更新スピードが遅い&拙い文章でも、見つけてくださったことに感謝いたします。 いつも皆様のお励みで頑張っております。 さて、挨拶はこれくらいに 先日「飛べない子」は35話を迎えて、内容的にも丁度いいので、一旦お話は一区切りとさせていただきます。 そんなタイミングで今回私がお話するのは、ちょっとした小話になります。 物語には関与しますが、知らなくても問題なく読み進められますので、お忙しい方は飛ばしていただいて構いません。 私がご紹介したいのは、天使と悪魔の生態に関してですね。 天使と悪魔。 どちらも空想上の生き物とされていますが、今回は、一応人型をイメージして創作しています。 ちなみに、天使は人間を安心させるために、悪魔は誑かすために人型に近い形をしていると設定しています。 なので今回のお話に毛むくじゃらの悪魔や、動物の頭をした怖い悪魔は出てきません。 ただし、グリフォンやケルベロスは除きます。 彼らは悪魔や天使ではなく、創造が得意なアスモデウスが創り出した新たな生命体としていますので。 同様に、顔の造形が整っているほど恐ろしいor尊き存在という印象が持てるため、悪魔や天使は美男美女しかいません。 (ブサイクはいないです。絶対に。これだけは譲れないです) おのおの好きなお顔を想像して下さい。 と、お話が脱線致しましたが、ここからが本題となります。 天使の神聖力と、悪魔の魔力とは何?というところですね。 曖昧な設定でもなんとなくわかりますが、あえてここでは深掘りしていきます。 まずは天使 天使の神聖力とは、言わば浄める力ですね。 これらの正体は私の想定では、波動の一種などと考えていますが、長くなりますので割愛します 天使はこの力で悪魔の邪心や魔力を根こそぎ消すことができます。 この力に、悪魔は一切抵抗が出来ません。 悪魔の根本的な動力は邪心や悪意なので、神聖力で魂自体を消してしまうと、肉体が着いてこれず内側から壊れていくイメージです。 ガードできない透明の力が、体をすり抜けて魂に到達してしまうんですね。そのまま浄化してしまいます。 ここまで聞くと、悪魔側が不利に思えてきますが、これらの神聖力には大きな欠点があります。 それが、一部の天使しか使えない、と言うことです 神聖力の破壊力は素晴らしいですが、扱える天使が少なく、存続型です。 お話の中で神聖力を使えるのは、今の所ミカエルだけですね。 1人にしか継承できず、さらに継承に相応しい逸材が見つからなければ、その天使で存続が途絶えてしまいます。 無理に存続しても、圧倒的な力に抵抗できず、逆に我が身を壊してしまう可能性もあるので、継承に失敗すればそれまでです。 なので扱いが本当に難しいものなのですね。 天使たちはこの力を大切に、慎重に扱うので、ミカエルが絶対、という立場はここから来ています。 もちろん神聖力以外にも聖なる力は存在しますが、かなり微々たる力で、しかも後天的なものになります。 生まれてからの経験や環境で取得率が左右されます。 ミカエルの神聖力以外では、悪魔を殺すに充分じゃないということですね。 一方で、悪魔たちの魔力は天性的なものです。 悪魔なら誰しもがこの力を持っており、生まれた瞬間から扱えて、極めるのも可能です。 特に魔力は魂と連結しているものが多く、天使への憎しみ、恨みが激しいとより強いものになります。 簡単に言えば、天使は努力型。悪魔は素質型に別れます さらに天使と違って悪魔は性交して子が生まれる(受胎)のではなく自然発生となっています。 悪魔が死ぬと 「憎き天使め、許さない!」 と言った情念に反応し、ポンっと悪魔が生成され、さらにその情念を継いで魔力に変換します。 情念の形に沿って、魔力の形も違うので、多種多様な魔力を持った悪魔が存在します。 悪魔が死ねば死ぬほど、新たな悪魔が生まれるわけですね。 さらに思いが強ければ強いほど、待ち合わせる魔力も高まります。 この点で言うと、悪魔側の方が有利に思えますよね。 ですが残念。そうも簡単に行けばいいのですが、悪魔社会は残酷なものです。 作中にもありますが、悪魔は愚かな生き物ですので、悪魔同士で争いが起きることもしばしばあります。 規律やルール、調和の取れない悪魔同士は意向が合わないなどの理由で簡単に殺し合いを始めますから、力の数や人数も天使とどっこいどっこいとなってしまっています。 さらに悪魔たちはまとまりがなく、7人の悪魔(七つの大罪)の派閥に別れてしまっているので、より大々的に争いが生まれます。 その分天使たちは1人のリーダー(ミカエル)がまとめているとで非常にチームワークが良く、調和度は完璧に近いです。 人数が少なくとも連携が上手く取れていますので、悪魔との戦争でも優位に立つことが可能です ちなみに、この調和やルールにそぐわない意向を持った者。リーダーに悪意を抱いてしまった者が堕天使となります。 作中ではルシファーと、一応リュミエルもこの立場に位置します。 さていろいろお話致しましたが、ここで皆様の中で疑問に思う方もいると思います。 そう、ネルガルの存在です。 彼は悪魔にも関わらず神聖力が通じず、天の光に当たっても問題ありません。 一体彼は何者なのか 結局悪魔なの?天使なの?どっちなの? 率直に言うと、どちらでもありません。ただの突然変異です。 とは言っても、ネルガルが突然変異自体なのではなく、突然変異でできた存在、それがネルガルです ややこしいですよね ネタバレになってしまうので詳しくは話せませんが、彼は自然発生で生まれたのではなく、性交して(受胎)で生まれて来たのです。 それが神聖力が効かない理由になると? はい、なります。 理由としては、2つほどあります。 一つ目に、想像が難しいですが、悪魔は情念で生まれることが当たり前でありますので、生まれる個体は前の個体と似たり寄ったりになります。 情念の形がもう決まってしまっているので性格が類似するんですね。 一方で天使は受胎で生まれるため、一から再スタートができます。 悪魔と違って型が決まってないので、経験や環境に応じて自由自在に思想を作り出せます。 ミカエルの洗脳教育がやりやすいのはこのためです。 ですが、受胎で生まれるのは天使の特権なのに、それが悪魔の中で生まれてしまうと話が変わります。 思想が思いのままに作り出せてしまうんです。 魔界にはミカエルのように型を作ってくれる人物もいませんから、ネルガルはなんの弊害もなく、経験を得てどんどん吸収して魔力を育てていきます 特にネルガルの近くには天使に近い思想を持ったルシファーがいますよね。 彼の教えが、ネルガルに多大な影響を与えており、ネルガルは悪魔と天使の、両方の思想を持って成長していきます。 天使の特権で生まれて、悪魔の特権の魔力を待ち合わせたネルガルは、もはや悪魔とも天使とも言えません。 そのためミカエルや天使の力、神聖力はネルガルのような意味のわからない存在に対応できないのです。 皆様も補正された道路と、どこに繋がっているかもわからない獣道だったら、もちろん整備された道の方が歩きやすいですよね。 同様に、型にハマっていない、いろんな方向に枝分かれしているネルガルの思想の中では、獣道のようにでこぼこでいろんな別れ道が存在するため、神聖力は迷って疲れて、最終的には核心に辿り着けずに終わってしまうのです。 そして対応できない理由がもう一つあって、先ほどちょびっと出てきた波動の話になりますが 簡単に言うと、神聖力とネルガルの魔力の周波数が、とてつもなく相性が良いんですね。 相性がいいと、互いの波長が調和し合い、結局打ち消してしまいます。 混ざり合うことで悪魔にも、天使にも、効き目がなくなってしまうのですね。 ストーリーで表すと、神聖力は核心に辿り着くために獣道を通らねばなりません。 ですが獣道はいろんな方向に別れて迷いやすく、おまけに道がぬかるんでいる。 そんな神聖力に、ネルガルの魔力は 「こっちは危ないよ。僕が魂に案内してあげるから、一緒においで?」 と優しく囁き、まんまと引っかかった神聖力は魔力と手を繋いで別の道を歩くのです。 これが調和している状態です。 入りたくない場所に、同じ形の天使に、入らなくていいよ。行かなくていいよ。と優しく問いかけられるわけです。 このように、ネルガルの思考はでこぼこな獣道なだけでなく、丁寧に立ち入り禁止の看板が立っているわけですね。 これだけ入らない理由が揃ってしまっては皆様も、別にわざわざ獣道に行きたいだなんて思わないでしょう。 そんなことが可能なのか ではなぜ他の悪魔ではできないのか それはお話しした通り、大前提としてネルガルは悪意から生まれていません。 だからとくに天使に恨みはないのです。 作中でも紹介した通り、悪意のないものは、神聖力では消すことができません。 元からない汚れを消そうとして、より綺麗に整えてしまっている状態です。 この状態は周りにいる天使や悪魔にも影響し、ネルガルが先陣切って天使と戦えば、天使の神聖力を無効にできて、さらに天使のヘイトがネルガルに集まりますが、当の本人はなんの問題もなく天使と戦えるので、一石二鳥です。 だからサタンはネルガルに戦時に出て欲しいんですよね。 そんな理由があるため、一応ネルガルは無邪気を司る悪魔と紹介しましたが、それにはこんな背景が含まれているんですね。 さらにさらに、ネルガルは天使と悪魔、努力型と素質型の両方の特徴を持ち合わせていますので、とてつもない速さで成長していくと考えられます。 今までは悪魔としか接触してこなかったネルガルの生活に、リュミエルというまっさらな天使が加わってしまうと… もう想像ができますよね。 さて、これにて私のお話は以上となります。 今回、天使と悪魔の生態の謎をお話ししました。 もっと詳しく話したいところですが、今後作中に出すかも、知れない内容ですのでこれ以上は黙っておきます。 気になる方は是非とも今後の物語を覗いてみてください こんな自己満足で書いたお話があなたの興味を惹きつけられるなら幸いです。 以上、作者の話でした。

ともだちにシェアしよう!