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第一章(六)代用品

 優一(ゆういち)(めぐみ)には手を出す事が出来ないので、その代用として(みゆき)に悪戯をしていた。  幸が無口で大人しい男の子という事は、優一にとって、とても都合が良かった。  優一も幸の才能を認めていたし、孫として可愛いとは思っているのだが、それでも幸に手を出す事をやめられなかった。  幸は景子(けいこ)の代わりであり恵の代わりなのだ。  そして、優一はその二人に対する性欲を幸で満たしていた。  その日も、優一は幸を奥の和室に連れ込んでいた。 「人が来るまで楽しい事をしようか」  優一は幸のズボンに手を入れて、幸の股間を直接触る。  それを(しご)き続けると、幸は堪らず体をくねらせた。 「どんな気分だい?」 「何か、変な気分」  幸は本当は気持ちが悪かったのだが、それを言うと優一が嫌がると思い、言葉を選んで答えた。 「だんだん大きくなって行ってるよ。まだ慣れてないだけで、これは感じているって言うんだよ」  優一は下を犯しながら、服の中から体をまさぐり始める。 「可愛いね」  そう言って、優一は自身の膨らんだ股間を幸に擦り付けて腰を動かす。  そうこうしているうちに、前回の定休日から日も経っていた事もあり、優一は興奮が抑え切れなくなって来た。  本当は店の奥でこんな事をしてはいけないと知りつつも、優一は幸の服を脱がせた。 「幸、畳の上に横になってごらん」  そして、幸をゆっくりと寝かせる。 「可愛いね」  優一は深く口付けながら、幸の性器に股間を擦り付けるように腰を動かした。 「気持ちいいかい?」  幸は優一に聞かれて言葉に詰まったが、大好きな優一が嫌がる事は言いたくなかった。 「うん、気持ちいい」  だから、困ったように顔を背けながらも、優一を喜ばせる為に嘘をついた。  その時、日下(くさか)は久しぶりに働こうとやって来たところだった。  出退勤の時は、正面の入口ではなく、裏の勝手口を使うのがこの店の決まりだ。  店は勝手口から入ると、ガラス張りの引き戸があり、その向こうが奥の和室になっている。  日下がいつものように勝手口から入り、引き戸に手をかけると、磨りガラスの向こうで、優一と思われる人影が横になって動いているのが見えた。  あやしい気配を感じた日下が、そっと引き戸を透かして見ると、そこには、あの時のように抱き合う二人がいた。  優一は全裸の幸の上で腰を振り、幸は「気持ちいい」と言って身を任せている。  日下には幸が喜んで優一に抱かれているとしか見えず、どこまでも穢らわしいものに映った。  今すぐにでも殴り込みたかったが、気の弱い日下にそんな勇気はなく、そっとガラス戸を閉めて店を後にする事しか出来なかった。  一方、優一は日下が来た事に全く気付かず、夢中で幸を抱いていた。  優一は、幸の顔を間近で見たが、やはり恵によく似ていた。 「いきそうだ」  優一は恵を抱いている事を想像し、我慢出来ずにファスナーを下ろすと、自分のものを扱き始めた。 「幸、触ってごらん。大きくなっているだろう?」  幸は優一に導かれてそれを触る。 「これはね、幸の事が大好きだっていうしるしなんだよ」  次第に優一の呼吸が荒くなる。 「可愛いね」  優一は幸の手に自分の手を添えると、激しく動かし始めた。 「もういきそうだ」  優一は幸に口付けると、お腹の上に精を吐き出した。 「気持ちよかったよ」  優一は幸の上から体を起こして、ズボンのファスナーを上げた。  その時、見計らったかのように、店のドアを開ける音が聞こえた。 「いらっしゃいませ」  そう言うと、優一は幸をおいて店に出て行った。  取り残された幸は、お腹に乗った気持ち悪い液体を手にとり、少し()めてみてから微妙な顔をする。  そして、それをどうしていいか分からず、優一が戻って来るまで横になったままでいる事にした。

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