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第二章(十四)約束

 (めぐみ)が我に返った時に、ちょうど二人がバスルームから出て来た。  それを見た恵は、どういう状況なのか察知して、古川(ふるかわ)を止めようと必死ですがりついた。 「(みゆき)に手を出さないで! お願い! 私が言う事を聞きますから!」  しかし、古川は恵を乱暴に振り払う。 「うるさいよ!」  古川は早く幸を抱きたくて仕方がなかったので、恵が邪魔でしかなかったのだ。  足早に古川が通り過ぎようとすると、恵が切り札のように言った。 「やめないなら、警察に言いますよ!」  それに、古川は酷薄な笑みを浮かべる。 「へえ。出来るならやってみなよ。で、警察には何て言うの? 息子を売春させようと思ったら襲われましたって?」 「え?」  言われて、恵は動きを止めた。 「ほら。考えてるという事は、息子より自分が可愛いって言う事だ」  それだけ言うと、古川は幸を連れて、そのまま寝室に行こうとしたが、再び恵が引き止める。 「そんな事ありません。幸には手を出さないでください! 何でもしますから。お願いです!」  懇願する恵を古川は面倒くさそうに見た。 「じゃあ、あやちゃんの相手を探してあげるよ」  そして、古川はどこかに電話をかける。 「ああ、今ちょっとガキ抱こうとしてるんだけど、母親が邪魔で……。ああ、美人だよ。お前も抱きたいだろ? とりあえず、邪魔させないように、ちょっと脅して……。そうそう。上手くいけばガキを抱かせてやるから。……ああ。他のメンバーにも伝えて貰える?」  恵が青ざめた顔で見ていると、古川は電話を切ってニヤリと笑った。 「本当に何でもするか試してあげるよ」  古川は、幸を寝室に連れて行くと鍵をかけた。  外で恵がわめいているが、古川は無視を決め込んで、幸を抱く事にした。  古川は、幸がレイプされたと言うのは聞いていたし、父親にDVされていたのも知っていたので、初物ではない事は事前に知っていた。  しかし、古川はつくづく惜しいと思う。  この容姿と従順な性格で、体に痣がなく初物だったらどんなにいいか。  古川は幸に口付けながら肌をまさぐった。 「んっ」  体は痣だらけではあったが、怪我をしていない肌は抜けるように白かった。  試しに内腿をさすると、滑らかな肌触りが古川を魅了した。 「可愛いな。母親よりずっと可愛い」  古川は幸を優しくベッドに寝かせた。  ローションをたっぷり手に取って、それを後ろに塗りつける。  指はスルスルと入っていき、結局三本の指で幸の中をかき回した。 「あっ」  幸が吐息を漏らして体をよじる。 「もう開発済みか」  しかし、どうせ初めてではないのなら、開発されている方が楽だと思った。 「友達を呼んであるから、早めに済ませないとね」  古川は幸に挿入すると、探るように中を突いた。  行為が終わってしばらくすると、何人かの男が入って来た。  古川はズボンを履くと、男たちを迎えに出た。 「何? そこの女食っていいの?」 「ああ、好きにしていいよ」  それに、恵が抗議の声を上げる。 「幸に手を出した上に、こんな事するんですか?」 「まあまあ。怒ったら可愛い顔が台無しだよ?」 「やめて!」  恵は胸を揉みしだかれ、声を上げて抵抗した。  けれど、古川はそれを楽しそうに見て言った。 「あやちゃん頑張らないと、ここのみんなで、幸君を犯す事になるよ?」 「どういう事!?」 「息子の為なら、何でもするんでしょ?」 「話が違うじゃない!」  二人の話に男が割って入った。 「そっちはどうでもいいだろ? こっちの相手しろよ」 「やめて!」  服を脱がされて恵が半狂乱になるのを古川は愉快そうに見つめた。 「幸君の為に頑張らないと」 「いや! 助けて!」  話の間も、男たちは恵を襲い続けた。 「離して! 助けて!」  そこに、幸が飛び込んで来て男の服を引っ張った。 「お母さんをいじめないで!」  けれど、男たちは恵に夢中で、誰も幸には見向きもしなかった。 「言う事を聞くから、お願いです!」  幸は必死な顔で古川に懇願した。 「お母さんを助けてください」 「もし、幸君がここの人たちの言う事を大人しく聞くって言うなら、お母さんにはもう二度と手を出さないよ。どうする?」  幸は古川を真っ直ぐに見て言う。 「言う事を聞きます。だから、お願いです」  すると、古川は幸の頭に手を置いて、優しい笑みを向けた。 「いいよ。じゃあ、約束だ」  それから、男たちの方に向き直ると、彼らに聞こえるように大きな声で告げた。 「母親は十分脅せたしもういいだろ! メインはこっちだからな」  古川は幸の肩を抱いて、男たちに顔を向けさせた。 「息子? へえ、気付かなかったけど可愛いじゃないか」 「綺麗な顔だけど、傷だらけで汚いぞ?」  口々に言い合う男たちに、古川はニヤリと笑って告げる。 「何でも言う事を聞く上に、よく躾られていて、具合のいい体をしてる。さっき抱いてみたが上物だ」 「へえ。あんたがそんな事を言うなんて、よっぽどだな」  聞いていた男の一人が、恵を襲う手を止めて幸の顔を見た。 「どんな味がするのかな?」  別の男が幸の顎を取って顔を舐めまわした。 「女は縛ってそこに置いとけばいいだろ。みんなで楽しもうじゃないか」  それに、恵が抗議の声を上げる。 「幸に手を出さないで!」 「じゃあ、あやちゃんが相手をするの?」  しかし、恵は、古川の言葉に何も言い返せなかった。  それを見た男たちは、嘲笑うような顔で恵を見た。 「何、この女。自分の息子を見捨てるの?」 「ああ。じゃあ、面白い事しないか? 目の前で息子がまわ(輪姦)されたらどうするか」  男の一人が愉快そうに笑った。

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