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第12話

4日目の夢の世界にやってきた。 始まりはいつも通り、真っ青な芝生の上。 だけど今回はなぜか閉じている瞼に光が当たらない。 今日は、晴れていないのか。 ゆっくりと目を開けるとすぐ目の前に、”天使”の顔があった。 初めて、”天使”の顔をはっきりと捉えた。 風に漂う薄茶色の髪は、時折優しく顔を撫でてくる。 髪と同じ色の長い睫は瞬きに合わせゆっくりと上下し、そのすぐ下にあの透き通るような青い瞳が覗いてる。 「タカユキ…」 ”天使”が、静かに呼びかけてきた。 顔にかかった髪をどかそうと手を伸ばしかけたが、なぜか身体が動かない。 それに気づいて目を左右に動かしていると、 ”天使”の右手がゆっくりと近づき、孝之の頬を優しく撫でた。 「体が。動かない。動かないんだ」 「じっと。してて」 孝之の必死の訴えにも動じることはなく、 ”天使”は何度も右手で頬を撫でてくる。

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