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第15話

* 「それじゃあ、可愛いかも分からず、おっぱいの大きさも分からなかったと。何だ、何の収穫もないじゃん」 「人の夢にケチつけるんじゃねぇ」 明くる日の昼休み。 孝之と殿上は勤めているビルの屋上にいた。 屋上と言ってもこのビルは8階までしかなく、 辺りに立ち並ぶ高層ビルの半分にも満たなかった。 「俺が気にしてるのはそこじゃない。あの女は誰なんだってことだ」 「孝之の妄想でしょ」 「俺のことを知ってるって言ってたし、あの風景…どこかでみたことがあるんだ」 「まぁ、やることやったら、また報告して」 くそ野郎めと吐き捨てて、孝之は雲一つない青空を見上げた。 妄想なら、それで良い。 ただの欲求不満なんだと思えば、それで良い。 だけどなぜか気にかかる、あの風景。 あの大きな桜の木を、どこかで見たことがある。 あの”天使”は、何かを伝えようとしている。 何で、お前なんだ。 お前は、どこから来たんだ。 お前は、誰なんだ。 さすがに5日連続で見る夢ともなると、 その意味を問わずにはいられなくなる。 出来うる限りの情報を得たい。 自分が作り出した妄想でも良い。 何か、答えが欲しい。 安心したいのだ。

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