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第26話
”帰ったら、今度こそ天使様のおっぱいが大きかったか教えてよ”
”てめぇはおっぱいのことしか頭にねぇのかよ”
手に持った鞄を、力なく床に落とした。
左の掌を口元にやり、しばし視線を泳がせる。
俺は、今日”天使”を見た。
夢の中で何度も会った”天使”に、遂に会った。
あれは、俺の妄想ではなかった。
妄想じゃ、なかった。
右手の拳で、黒い扉を2度叩いた。
少しして鍵が開けられ、殿上が顔を出した。
「おかえ…うわ、ひどいカッコ。びしゃびしゃじゃん」
「殿上………”天使”は………………………」
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