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第67話

ー社員食堂ー 「くっさ。くっさ。まじくっさ」 「…うるせえ」 翌日の休日出勤は悪夢だった。 抜け切らない酒の毒に身体を侵されながら、 這うようにして職場までたどり着いた。 食堂のカレーの匂いに吐きそうになるのをこらえ、机に突っ伏して、少し休む。 向かい側に座る殿上は、孝之から漂ってくる酒の匂いを掌で嫌そうに払った。 「なんでそんなに飲んだの。いつもは意識失うまで飲むなんてことないじゃない」 「…俺もよく分からない」 「誰と?」 「…飯島」 飯島は2つ下の後輩で、 関西の支社で勤めている。 昨日はたまたま仕事で東京に来ることになっていたので、飲みに出かけることになった。 久々の再会だからとはいえ、 まさか潰れるまで飲むことになるとは思わなかった。 目を覚ましたら龍司の家のベッドに寝かされていた。 どうやってそこまで辿り着いたのか、 まるで記憶になかった。 ベッドの横に座っていた龍司は呆れた様子で、昨夜の出来事を話してきた。 その声は心なしかいつもより小さく、掠れていた。

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