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第38話

欲に塗られた漆黒の目に見つめられると、否応なしにユイトの胸が高鳴ってくる。 「て、ってか……このポジション……まさか、俺が……挿れられる方ってことか!?」 よくよく考えてみれば、抱きかかえられてここまで連れてこられたということ自体、ユイトが抱かれる側だということに他ならないと意味しているようなものだろう。 実は、ユイトは“抱く”側だったので、酷くとまどった。  ユイトの言葉を聞いて、奏一はニヤリと笑った。 「……あぁ、そうか。まぁ、はっきりさせてなかったからなぁ。もしかして、君って抱く方だった?」  奏一の問いに、彼を見上げながらユイトはコクリと頷いた。 「そっか。だよなぁ。困ったな。どっちも抱く側だったとは」  今度は、奏一は苦笑した。そして、ユイトの髪をサラリと撫でた。  ユイトはその手を取り、口づけをした。 「でも、いっか……あんたになら抱かれたい」 「あ、また“あんた”って言った」  奏一はクスクスと笑う。 「笑うなよ……悪かったな。慣れねぇんだよ、なかなかな」 「ふふ。いいよ、無理しないで。じゃあさ、俺に君を可愛がらせてくれる?」 「え?……あぁ……好きに……しろよ……」  恥ずかしくなってそっぽを向くと、頬に手が添えられて正面を向かされる。そして、「そうする」とより甘く囁き、おでこにキスをした。それから首筋に移動し、着ているTシャツが捲り上げられ、肌が露わになった。その肌を、脇腹から徐々に上にかけて奏一の手が探っていく。 「なんか、くすぐってぇ…」  ユイトは思わず顔を起こしながら奏一の手を取った。 「え?何で止めるんだよ……せっかく手触り楽しんでたのに」 「だから、くすぐってぇんだって。何か他にないわけ?」  そう言いつつ、ユイトは手をぱっと離した。 「わかったよ。じゃあ、違ったことをするね」  奏一はニヤリと笑う。  そして、ユイトの胸の突起に顔を寄せると、右側の粒を舐めた。 「あぁっ……」  つい声が出てしまう。既に火照ってきている体が、余計に熱くなってきてしまうではないか。ユイトの中心も、段々と熱を帯びてきているのがわかる。  左の粒は、奏一の指の腹でコロコロと捏ねられたり、指先で突かれたりしている。その動作にユイトの意識が集中していると、今度は右側も舌先で絶妙なタッチで転がしたりし始めた。

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