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14 大輝の黒い噂

大輝は自炊してるから、作ってくれたのを食べた。 不真面目なんだか真面目なんだかよく分からない所もあるけど…俺も家事は出来るから、あとは料理さえ覚えれば完璧だ。 今日から早速夕飯作業を手伝ってみたら楽しかった。 なんか新婚生活みたいw 21時くらいになり、大輝はいつものように手製の差し入れ持って繁華街に足を運んだ。 だが溜まり場に光希は居なかった…今日は泊まりで売りしたのかな? 「光希ここにいないな?」 「ああ、来ると思ってたけど後で連絡してみっかな」 大輝は差し入れ配り始めるとすぐ人だかりが出来る……溜まり場歴長いし、人脈あるから男女年代関係なく好かれてる。 俺はいつものように隅に座って待ってた。 「陽加も着てたんだ?今日顔色良いじゃん」 「久しぶり直人」 コイツは直人…21歳今年22になる大輝と同い年だ。 ストカン持って大人ぶってるチャラ男バカだが溜まり場では茂君とかよりはまだまともな方だ。 「オッス俺最近来てなかったからな… 会いたかったぜ陽加」ギュッ 「抱きつくな!」パシッ!軽くはたいた 「ったく可愛い顔して相変わらずだな 無愛想だなお前。飲むか?」 「いらない」 「所でよぉまだ大輝とつるんでるのか? 前にも言ったけど、アイツとあんま関わり過ぎねー方がいいぜ」 「大輝は別に害はないし、優しい奴だよ? 溜まり場で嫌な奴は他にいくらでもいるし、 俺は光希と大輝を1番信用してる」 直人はいつも大輝の悪口言うから嫌い 「そいつはどうかな? アイツには黒い噂があんだよ。 お前は見たことないから分かんねんだよ。 繁華街に来たばかりの頃のアイツは今とは 別人で暴れまわったりとかなり荒れてたんだぜ?当時はえげつない事も平然としてたらしいしな」 「でも昔の話だろ? きっと大輝にも事情があったんだよ!」 「繁華街に来たのもなんか大罪を犯して逃げたからって噂もあるし、大輝の奴…当時から妙に金持ってるわで怪しさも満点なんだよ。 今だって自分の過去は話さねー秘密主義な癖に善人ぶって溜まり場に差し入れしたりする。 逆に怪しいし、なんかの償いのつもりか知んねーけど俺から見ればあんなのただの偽善だよ」 溜まり場は皆事情があるから来るように なったんだ。 大輝だって元は同じだよ。 それに恋人の悪口は言われたくない。 「それでも俺は大輝を信じるし、どんな事情あっても支えるから。 直人だって溜まり場のメンバーなら 人の事云えないだろ? 大輝の悪口ばっか言うなよな… お前だって元族上がりなんだから」 「ハア… お前みたいに当時のアイツを知らない奴ら程 ああやって大輝に群がるんだ。 人助けが好きな優しいイケメンにしかみえねーだろうしな。 当時はバリバリの族だった俺ですら昔の アイツはかなり恐ろかった存在なんだぜ。 殺気というかなんか鳥肌立つくらいな。 今とは真逆でほとんどの奴が近づかなかったんだぜ? 来ても今のお前みたいに1人で隅に座ってたんだぜ…誰とも話さず常に睨んだような目をしてよう。 今のアイツからは想像出来ねぇだろ?」 ここまで聞いたのは初めてだ。 でも直人も嘘はついてる感じはない。 当時は俺と同じ歳くらいだったんだ。 俺には光希や今の大輝に出会って多少救われてるけど、その時の大輝は1人きりだった…… 荒れてた頃の大輝は知らないけど俺は絶対どんな事があったとしても軽蔑しないし、別れたりしない。 大好きだだから 「俺は大輝から離れないよ。 俺は過去は気にしないし軽蔑もしないよ。 そんな話聞いたら尚更だよ」 「ハア……お前はなんも分かっちゃいねぇよ… アイツはまともじゃねぇ…悪口じゃねぇよ。 今に分かるぜ…忠告はしたからな?」 そう言うと直人は俺の頭撫でてから 立ち上がってグループに戻っていき、逆に 大輝が戻ってきた。 「待たせたなぁじゃあ行くか?」 「うん」 俺達は手を繋いで歩いた。 次はかずこママの店 「陽加…直人に何か吹き込まれたんだろ?」 「う…うんちょっと……また見られたんだね…でもよく分かったな?」 「お前から目を離したりしねーよ。 また茂とかに絡まれてたら困るからな。 アイツは俺と来た時期が変わらないからな。 俺が荒れてた時期をアイツは知ってるし、 今の行動が気に食わねんだよ。 元々殴り合いするくらい仲が悪かったんだ。 粗方噂だらけで俺はイカれたヤバい奴だから 近づくなとか言われたんだろ? 確かに荒れてたし、警察沙汰も起こしたのも事実だよ。 でももう喧嘩もましてや暴力なんかしないからな陽加。約束する」 「俺は大輝を信じてるから安心して? 確かに昔の大輝の事は知らないけどどんな過去があっても別れないし関係ないよ。 でも恋人だし、いつか教えてね? 直人みたいに噂に振り回される奴らが悪いんだよ」チュッ 「ありがとな そう言えば光希電話したけど出なくてよ、 今日は泊まりで行っちまったな」 「明日俺がかけるよ。 俺のせいだからちゃんと話したいし。 光希と話してると大輝の事をふざけてる風に見えたけど本気で好きだって分かってたんだ。いつも嬉しそうに話すし… 俺も好きだから尚更分かるから。 多分アイツ気を使ったんだと思う……」 そうこうしてる内に着いた カランカラン 「いらっしゃいませー」 「あらいらっしゃーい」

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