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27 陽加の女装初体験
「これでよしっと陽加よく似合ってるよ」
恥ずかしい……
「やっぱりやだよ。恥ずかしくて出れない」
いま俺は女装してる。
膝くらいの黒フリフリスカートだ、あとセミロングの茶髪ウイッグもつけて結びははくるりんぱハーフアップ?とかを可愛く光希が
セットしてくれた。
お化粧して軽く整えたら完成した。
服は今時の流行りの白の服を着させられた。
光希はメイク分野は得意だから全部大輝に頼んで揃えた。本当乙光希は女だな。
何故女装かと言うと
「陽加可愛いー…完全女の子になったよ。
声も高めだし、メイクもばっちり大丈夫だよ。これならパパにもバレないよ」
あれからしばらくは怖くて昼間出れなくて
夜シロの散歩がてら大輝や光希としか出かけれなくなった。
そこで光希が女装を提案してきた。
最初は恥ずかしくて反対したが……
「本当にバレないかな?」
「大輝ー、出来たよ」
大輝に見せるの?
恥ずかしい似合ってないし、キモいよ
「陽加…めっちゃ可愛い。普段の陽加も可愛いけど、スゲエこんな変わんだなぁ」チュッ
「ウウッ良かった…でもこれから毎日はやだよ?」
「とりあえずパパさんが街から居なくなるか、あの咲哉って人に執着して陽加を諦めるのを待つかだよ。
咲哉って人は何か言ってた?」
「相変わらず執念深く探して続けてるとよ…
恐らく陽加を諦める可能性は低そうだ。
街にはいないと伝えたがあんま信じてねぇな」
「本当にしつこすぎる。
もうアイツと遭遇するだけで嫌…」
「親父金で動く可能性はありそうか?」
「ないと思う…
金持ちって程じゃないけどそれなりには貯金あるだろうから、正人みたいにはいかない…
アイツは俺を弄びたいだけなんだよ…
ストレスの捌け口…跡は小さいけどアソコにろうそく垂らして火傷させて苦しんでるの
見るが好きな最低男だよ」
「俺っちはちょっとぞくぞくしちゃうけど、
無理やりはやだね。小さめで目立ってはないけどやっぱりそうだったんだね」
「虐待は証拠がなきゃサツや児相もただ帰してしまうだけだしな…俺も出来る事はやるが…
武道の達人の滝は知ってるだろ?
4年教わったし、今もたまに道場通ってるぜ。
滝には多くを教わった。
本当はダメだが修羅場を潜り抜ける為の
伝授くらいは多少はしてやれるぜ」
滝さんって言えば一応溜まり場でたまにしか来ないけどいつも酒飲んでる優しいおじさんだ。
確か陸上自衛隊に長年居て格闘技全般得意で海外で訓練も受けてた経験もあるらしい。
特に合気道やキックボクシングに精通してるらしく、喧嘩も強いって噂は聞いた事ある。
軍隊の知識も認めた人には年齢問わず伝授してるらしい。大輝はその数少ない1人らしい。
「でも俺なんかに出来るのかな?」
「足の早いお前なら逃げるチャンスさえ出来れば助けられるからな。わずかなチャンスを逃さないためにもな」
「確かに足は早いけど…」
「アンッ!」シロがキョトンとしてる。
あっそうだ。女装のままだから
「陽加の変化にびっくりしてんじゃない?
よいしょ、後でお散歩行こうね?」
「アンッ!」ペロペロ
光希が抱っこし戯れてる。
「なぁせっかくだから今から出掛けてみるか?」
「やっぱり恥ずかしいよ…」
「大丈夫可愛いし、気づかれないよ。
じゃあ街のカラオケ行こうよ。
中は俺っちらだけだしさどう陽加?」
「分かった」
でも女装作戦なら外出もビクビクしなくて済むかもしれない…
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