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29 追跡と接触…大輝vs陽加父《大輝視点》

あれから一定の距離を保ち気づきにくいように歩いて尾行した。これも滝に訓練された アイツが父親かぁ…確かに面影はあるがなんか確かに普通のおやじだが、尋常じゃない雰囲気を感じる。これも勘だがな。 あっ建物に入っていったビジネスホテルか? じゃあ住んでる訳ではない? とりあえず咲哉に確認してみるか 裏路地に入りスマホを出してる時に 後ろを向いて油断してしまっていた 「おいっお前先程から俺をつけてたなぁ、 何モンだ?」 クソ…気づかれてたか!でもコイツ一体? 「気のせいじゃねえかオッサン? たまたま同じ道だっただけだろ?」 「ならなぜ俺の入ったホテルで足を止めて 引き返そうとした?あまり舐めるなよ小僧。 尾行など初めから気づいていたさ。 尾行の距離の空け方に気配も消せていた。 まだ甘い…だが全くの素人にも見えんな」 コイツこそ何者なんだ?滝に近いぞ? 自衛隊か訓練を受けた警察官? あるいは裏系のプロか? 少しまずいな 「アンタこそ何者なんだよ…尾行に完璧に 気づくのは簡単じゃねえぞ」 「昔ある大企業の裏の部隊に所属していてね。警察のSATなんかより訓練も実戦経験もあるのさ」 大企業? どんな部隊か知らねえが恐らく はったりではないのは確かだな。 陽加…仕事までは知らなかったのか?…… なら俺より明らかに強い筈…状況的に不利だ 「それで用件はなんだね?陽加か?」 ナッ!……クソっしまった! コイツの狙いは 「やはりな。その反応確信したぞ。 アハハハ君に礼を言おう。陽加と一緒だな」 コイツは俺の表情を見たんだ。 動揺したのを見逃さなかったか。 やはり滝レベルのプロだ。 マズイな 「陽加はどこだ?お前と居るのか?」 「アイツに…会ったことはあるがもう街から消えたよ」 「アハハハ…言った筈だ。舐めるなよ。 その動揺間違いなくお前といるようだな。 今帰せば公にはしないでやるが、 今お前は誘拐犯だ。 俺に消されるか刑務所行きどっちがいい?」 「フッ…アンタこそ何故陽加にそこまで拘るんだ?陽加はあんたに怯えてる。 今までの事は全て聞いてんだ。 アンタを突き出せても警察も国も宛にならねぇ…だから返す訳にいかねえんだ!」 「あの子を愛してるからだ。 陽加が苦しむのが快感で仕方ないのさ。 陽加はもう一生俺から離さない。 逆にお前にも同じ事を聞こう。 なぜ陽加に拘る?好きなのか?」 「俺らは付き合ってる。 陽加を守りてんだ。 頼むからもう陽加を解放してくれ」 「残念だが無理な話だ。 可愛い陽加は俺のだ。 恋人等決して許さんし、逃げた事もな… さぁ素直に返すか、痛い目に遭うか?え?」 コイツは話し合いは通じねぇ 「ハア…決まってんだろフッ!…グハァ!」 ボクシングスタイルで先攻でストレートに 一発入れようとしたら瞬時にかわして、奴の中段蹴りをまともに食らい腹部を強打して倒れた。 恐らく空手かキックボクシングだ。 圧力がスゲー…一発でこれかよ。 クソッかなり激痛だ。 こんな強い相手は滝レベルだ。 クソっ流石に俺でも… それに一発目は肝心だ。早くもハンデか… コイツはかなり余裕だ 「ボクシング…なるほど動きは悪くない… だが不意討ちを狙ってもどんな格闘技も必ず 弱点はあるもんだぞ。 ちなみにボクシングは空手とは相性が悪い。 だがどんな競技でもその弱点を上手く突けば 簡単に戦闘不能に出来る。 よく覚えておくんだな…フン!」 「ハアハア…まだこれからだぜ」 痛みを抱えながら立ち上がると今度は奴が 接近してきてパンチを出してきたのをギリ腕で受けたが衝撃が強くて怯んでしまった。 なに?フックだと?今度はボクシングか… いやさっきの言い方全ての格闘に精通してそうだ。戦いやすいから合わせてきたのか… 攻撃を受け流すのは難しい。 体力も考えてかわす方に移行しねぇと、 次喰らったら立てる保証はねぇぞ… また来た…なら腕を掴んで合気道で投げ技で倒すつもりが力が強い上に反対の手で弾かれてしまった。蹴りをかわして 横から肘討ちを頬へ直撃させたがあまり怯んでない…クソっ身体も頑丈のようだな… 後ろ側に回り込み膝に廻し蹴りを入れたが、 上手く腕で受け止められ、 距離を取ろうとしたが間に合わず、 今度は逆に捕まれて、瞬時に膝蹴りで再びみぞおちに食らってしまい、下向きになったとこで奴は留めに背中に肘討ちを食らわせてきた。 「やはり多少は出来るな…面白い」 「グハァ…ゴホッゴホッゴホッ」 完全に戦闘不能になって倒れた。 うつ伏せ状態だ。 力がが強すぎる。技術も経験もかなり上だ。 動きも早く…攻撃を読まれてる。 クソ痛みで動けねぇ… 息が一瞬しづらかった。 「ハアハア…悪いな陽加を早く見つけたいんであまり加減しなかった。 いやお前にはどのみち加減出来なかったな… まぁいい。さて身分証はこれだな? 鍵も2つあるな一つは帰れる様入れとこう。 これは陽加見つけたら置いといてやる」 マズイ…鍵や免許証で住所を? 「場所判明した。陽加はここだな これまで世話してもらっていたなら礼は言っておこう。見返りとして ウチに連れ帰ったら届けは取り下げてお前にはおとがめはない。だが陽加に2度と関わるな…これは警告だ」 「恐らくスタイル的にキックボクシングで 掴みは合気道っててこだな。 怯ませて合気道技で倒し絞め技に持ち込んで気絶させるつもりだったんだろ?… 強い相手には合気道の払い技がいいからな… 悪くない戦術だ。 何年訓練受けたか知らんがただ格闘経験者ってだけではないのは分かった。 尾行にしろさっきの戦闘技術に動き確かに お前は素人やアマチュアレベルではなかった。 プロの訓練を受けてたかあるいは自衛隊員か…いやお前おそらく……まぁいいとにかく アマチュアなら間違いなく私が負けてたからな。だが今回は相手が悪かったな」 ウウッ…クソまだ立てねぇ あっという間にやられちまうなんて! 「心配はいらない。 多少動けないようにしたがすぐ治る。 神経や内臓も影響もない。 私レベルになればその辺りも上手くやれる。 陽加を奪った奴だし、 本来なら確実に仕留めて埋めてやる所だが 陽加を見つけれた礼とお前程の逸材ここで終わらすのも惜しいしな…じゃあな。 陽加はもう忘れろ。 邪魔するなら次こそ加減なしで消すぞ… 覚えとけ」 奴はホテルに戻り駐車場から車に乗り行ってしまったようだ。 ここは裏路地で人なんか通らないから。 「ま…まぁて」 また俺のせいで…… 陽加ーー!

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