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88ダークナイトとブラッドリッパー《大輝視点》
「まずテメェの目的はなんだ?」
「井上陽加がほしい…ただそれだけですよ
こんな可愛い子なかなか居ませんし、華奢で色白で女の子のような美しさ、堪んないんですよね?くださいよ先輩殿」
コイツからは異常性を感じるぜ
だがそもそもコイツの行動自体腹が読めねぇ
「先輩はやめろ!
ただ陽加がほしいならなぜ俺や父親の事を話した?んな事したら陽加を警戒させるだけだと分かってるだろ?」
「ハハッ正体知られようが別に構いませんよ?むしろ僕には力や情報力があると分からせたかった。
それはかつてダークナイトと呼ばれた誰かさんが居たからですよ。
まさか貴方に出会えるとは……貴方を越える事で更に上の殺し屋になれる、そして陽加ちゃんも手に入る」
「俺は辞めた身だ、今更対抗なんてする必要もねぇだろ?」
「分かってないようですね…
自分が今色んな組織に目を付けられて
危険人物として狙われてる事を……
ダークナイト大輝は
それほど警戒されてる男だと言う事ですよ?
立花グループに警察機関、政界等にもね
貴方は辞めたつもりなんでしょうが、
関係なくまたJに関わる事になる……
また手を汚すかあなたが死ぬかね
そしてまたしても周囲も犠牲になる…
今度は陽加ちゃんとかね」
この野郎ニコニコしながら頭に来る奴だ
「なんだとテメェ!」
「現に貴方は辞めた身でありながら陽加ちゃんの父親を抹殺しようと動いたでしょ?
一度手を血で染めた者はもうその地獄からは抜け出せない、貴方ならお分かりだろ?」
確かに俺がかつてやってきた事を考えれば恨みを買ってたり、また銃を取らない保証もねぇ
実際コイツも始末してまいてぇ気持ちもある…
「確かに地獄から抜け出せないだろうがな、
止める事や償いは出来る。
お前は殺戮を楽しんでるようだがなそんな奴と俺は違う。
でお前は俺を始末して陽加を奪う、それが望みか?ならいくらでも相手してやるぞ?」
「償い?以前は残酷な殺し屋だった貴方が?
それがこうも落ちぶれるとは残念な事だ、
償いなんてただの自己満足の偽善でしかない……
まぁいい今日は挨拶だけにしときましょうよ?
場所も悪いし、陽加ちゃんの目の前で殺し合いは困るのと今日は貴方が1枚上手のようだし」
「何が言いてぇんだ?」
「貴方今防刃ベストを着用してますよね?
つまり何か装備していている筈だ…例えば銃とかかな?でもあいにく僕は何もないので安心して下さいよ、今日は本当に陽加ちゃんに会いたかっただけだし、大体状況が不利な今戦えば僕が殺される事ぐらい僕だって分かりますよ」
やはりJに所属してるだけあるな、、
ただのバカとは違う、侮れねぇな
確かに念のため着用はしている……
だが銃は所持はしてないがな
「利口な判断だが陽加は渡せねぇ、それだけは言っておくぜ、万が一陽加や周りに手を出せば現役だろうが、議員の息子だろうが容赦なく殺す!それだけは覚えとけ?」
「親父なら気にする事はない、
俺は政治家も嫌いでしてね、
Jでも任務の為続けてるだけだ……」
ここで陽加が口を開いた
「な……なんでJなんかで殺し屋をやってるの?翔太さんには理由が分からないよ」
「フフッ心配ないよ陽加ちゃん、君に危害は加えないさ。絶対守ってあげるよ?その為に邪魔になる者は排除するだけさ」
俺を見ながら言ってきた
つまり俺を消したい訳か
「何度も言うけど大輝とは別れないし、何かしたら余計に許さないだけだよ、だからやめて」
「こればかりはね、仕事柄もあるし、彼との問題でもあるしね。まぁ今日は帰るよ、またね」
「お前暗殺に関しちゃ容赦ねぇらしいな、
情けも慈悲もねぇ、罪の意識を感じた事ねぇのか?」
「本当に甘い男だな……」
「なに?」
「俺達は暗殺者ですよ?本当に訓練を受けて
Jの暗殺部隊にいたダークナイトのセリフとは思えませんねぇ、慈悲?俺達は痕跡を一切残さずヤるのが仕事ですよ?だから邪魔になるなら子供だろうが排除するのが我々の仕事だ、無駄な感情移入したらミスに繋がる。
辞めて鈍ったようですね?
そんなじゃ俺には勝てませんよ?
ダークナイト大輝にならないとね」
「フッ…勝てねぇのはテメェだよ。
完璧を求める奴程ミスるんだよ、いつか分かるぜ」
「チッ……まぁ勝負はいつかしましょう……
でも残念ながらそちらの情報提供者にはもう僕の事は調査出来ませんよ、また陽加ちゃん、次は今度こそ2人きりでね」
「無理です……」
「フフッ……ではまたダークナイト大輝さん」
そう言って奴は消えた
「陽加大丈夫か?」
「うん大輝こそありがとう、でも光希は?」
「熱もだいぶ引いて落ち着いてるさ」
「良かった、翔太さんにまた遭遇したくないから早く帰ろ?」
「ああ」
俺達は手を繋いで帰宅した
「そう言えば悠里さんなんて言ってたの?」
悠里……アイツから連絡来て陽加の様子がおかしいから迎えに行ってみてと言われて来てみたら
実際、東翔太絡みだった
「様子がおかしいから迎え行けってな、
今回は悠里に感謝だな」
「うん、迷惑かけちゃいけないと思ったから言わなかったんだけどな」
「アイツは普段は天然だが不安な事に関しちゃ結構鋭いぜ?昔助けられたよ」
実際昔からアイツには敵わなかったしな
「そうなんだ、でも翔太さんと勝負って殺し合いとかしないよね?」
「分からねぇ……陽加絶対しないとは言い切れねぇ…ごめんなもしもの時はあり得る」
「良いよとは言いたくないけど大輝の判断を信じるし、どんな決断しても嫌いにならないからね?」
「ああ、ありがとう陽加」チュッ
俺達は部屋に着いた
1つ奴の言葉が引っ掛かってる。
俺はまだ色んな業界に狙われてる……
もし抹殺依頼があるならいつか差し向けてくる可能性はある。警察すら信用出来ねぇ
俺もまた備えておく必要はあるな。
陽加達の安全な場所の確保も……
だが俺も簡単に負けてやるもんかよ
向かってくるなら返り討ちにするだけだ
まだまだ俺の試練は続くようだ
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