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89 光希と直人の恋路 《光希視点》
「もう大丈夫なのか?」
俺っちが風邪引いちゃってから寝たきりだったけどようやく治って病み上がりだけど、
直人がどうしても話したいとしつこいから久しぶりに外出がてら会ってあげる事にした。
大輝の悪口さえなきゃ嫌いじゃないんだけど……
溜まり場の仲間で普段は優しいのにさ……
「うん、じゃあ行ってくるね」
俺っちは元々気まぐれだからたまに友達や1人でも外出はする。
久しぶりに中央町の繁華街で待ち合わせた。
浄化作戦とか?で溜まり場も以前は昼間でも
たくさん居たのに今はかなり減ってるなぁ……
皆補導されたか避難したんだろうけど
「よっ光希久しぶりだな」
「ヤッホー久しぶり直人」
「じゃあ行こうぜ?」
とりあえずは街のカフェに入った
「最近どうしてたんだ?
それがずっと気になってたんだぜ?」
「元気だよ…風邪引いて病み上がりだけどもう心配ないから」
「風邪?お前まだアイツの家に居んのか?」
また始まりそう
「うん、好きだから一緒に暮らしてる。
前は自由奔放にしてたけど大輝や陽加と居て落ち着くし、助けてもくれたから」
「なぁしつこいかも知れねぇがアイツは……」
「やめてよ!直人どうして大輝をそんなに敵意剥き出しなの?過去の事は俺っちだって知ったけど軽蔑したり異常で危険な人物とは思ってないよ」
「お前が心配なんだよ、陽加もな。
もう言ってるだろ?俺は光希が好きなんだ。
だから危ない目に遇ってほしくねぇし、
お前には俺の側に居てほしんだ……」
確かに直人の気持ちは知ってるし、
俺っちも好きなのかもしれないけど
でも今の俺っちには……
「俺っちも直人の事好きだよ、
でも付き合えないよ」
「どのみちアイツは選ぶ日が来るさ、陽加か光希かを…何故なら3人で恋愛を続けるには無理があるし、必ず片方に寄っていく。
アイツは陽加を選ぶと俺は言い切れるぞ」
「なんで?」
「アイツはいつも陽加だけを意識してた、
お前らが付き合う前からな、
目が違うんだよ光希と陽加を見る目がな、
お前だって分かってるんじゃないか?
陽加の方が特別扱いされてると」
確かに大輝は最近陽加ばかりであまり構ってくれてないのは感じてる……
「それでもいいよ……俺っちは2番でいいと思ってるし」
「ハァそう言う我慢はいつか後悔すんだよ、
なぁ光希家でしばらく暮らさないか?
それで考えてみてくれないか?
お前の許すまで手も出さないし、
アイツらに場所も伝えていいし、なんなら俺も説得すっから頼む光希。俺にチャンスをくれ」
直人……今回はかなり真剣に告白してきた。
直人と暮らす……泊まった事は何度もあるし、
エッチもしてきた相手だから躊躇はないけど。
大輝と陽加は2人の方が幸せかな?
「直人……分かった今日2人と話し合ってみる。 2人が了承したらお試しとしてしばらくお世話になるよ、ただその間に恋人にならなかったら大輝の元に帰るから諦めてね?」
「分かった、ありがとな光希」
直人は凄く喜んでた。
大輝の悪口言いかけてたけどなかったからそこは評価だなぁ。
直人と2人暮らしになったら久しぶりだけど
居心地は悪くないし、溜まり場来てる以外は繁華街だけど真面目に働いてはいるし、心配はないね。
「じゃあまた連絡するね?」
「光希……俺の事好きだと言ってくれたよな?
俺ももっと認めてもらえるよう頑張るからな」
「フフッじゃあまずは大輝の悪口はなしだよ?俺っちはまだ大輝の恋人なんだからね?
それにまだ大輝がOKするか分からないし」
「分かってるよ、またな光希」
カフェで話した後別れて帰宅した
2人とは後で話し合おう
「アンッ!」
「シロただいま」
頭撫でてあげた、シロと離れるのも寂しいのもあるんだよなぁ
「「ただいまー」」
大輝と陽加が帰ってきた
「お帰りー、一緒だったんだ?」
「ああ、たまたま近くで会ったからな」
「光希夕飯作ろっか?今日は手作り餃子」
「分かった、準備しちゃうね」
「俺は今夜久しぶりに溜まり場がどうなったか確認がてら行ってくる」
「また戻り始めてそうなの?」
「ああNO.2の宗太郎に聞いたら復活してきたらしい、やっぱり皆戻りたくなるんだろうぜ、 俺はまた定期的に差し入れとかしていくつもりだがお前らは無理して行く事はねぇからな?」
「うん、親父が居なくなったとは言えどまた
警察行きは嫌だから」
「俺っちもね……」
「よし、とにかく俺もメンバーに戻る事も
長居もしたりしねぇからよ」
今日はバタバタしそうだし、落ち着いた時話そう、でも直人が今日溜まり場居たら大輝と話すかもしれない……喧嘩させたくないし付いて行こうかな?
「ねぇ大輝」 「なんだ光希?」
「俺っちも一緒にいい?」
「構わないが友人と会うのか?」
「今日だけだからさ」
「分かった、陽加はどうする?」
「俺はやめとく、ウチで待ってる」
「じゃあ光希夜に行こうな?
でもなるべく俺の側にいろよ?」
大輝のこういう優しさが大好きなんだよね
「うん、ありがとう」
こうして俺っちと大輝は久しぶりに溜まり場に
顔を出す事になったけど
中央町浄化作戦のせいで溜まり場も一度崩壊してしまった。
俺っちらに皆にとって必要な居場所を正義感ぶった国や警察機関に奪われ監視も強化されたせいですっかり繁華街は大人しくなった。
もちろん日本最大の繁華街だし治安的には良いことでもあるけど、俺っちらみたいな人間には困る事の方が多い。
溜まり場や未成年達の犯罪がいい例だ。
大輝の言うように年々ひどくなってきてる。
陽加も言ってたけど俺も大輝側になれたらいいな、同じ境遇だからこそ助けてあげたいし
「じゃあ俺は差し入れ作るな」
久しぶりの溜まり場緊張もするなぁ
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