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100 井上靖雄は生存?不安と恐怖の蘇り
寝そうになった時スマホのバイブ音が聞こえた。
大輝が距離取って話そうとしたからとりあえず寝たふりして聞いてみた。
相手の声も聞こえる
そうしたらとんでもない名前が出てきた。
《井上靖雄…だからよ》
えっ?親父が生きてるって事?
そんな筈ない…滝が殺したと大輝は言ってたし、目の前で見てたって。
別人に決まってる!
でももし話を聞いてる限り可能性は高そうなな言い方。
相手は翔太さんの連絡役ケイト?
ホムラさんは捕まったのは俺のせいだよね?
電話終わって整理してみた。
親父は生きてて俺をまた探してる。
東一家にっとっても親父が邪魔でJ全体で暗殺対象になったが、親父の
経歴を考えて翔太さんか父親が圧力掛けて大輝を強制的に復帰させた…
悠里さん達を人質にして。
動画を再生してる顔が見えないけど
《いやいい》
間違いなく親父の声だ…なんで生きてるの?滝ともあれから会ってないし、
一体どうなってるの?
とにかくもう知ってしまったんだ。
大輝の元に寄って
「大輝…」
大輝は明らかに動揺してる。隠そうとしたんだろうけどもう遅いよ
「いつから起きて…」
「全部最初から聞いてたよ…でも大輝の口から説明して…」
「分かった、落ち着いて聞いてくれ」
それから改めて電話の件をすべて聞いて復帰する事になった事や
親父の事も…すべて聞いた。
「どうするの?前だって大輝でさえ苦戦した親父ともう一度戦って、
今度は大輝が殺すの?」
大輝だって復帰も暗殺もしたくないと思ってるのは分かってるけど…
「確かにJが顔認証や声紋ではお前の親父と一致してるがまだ対面してみなきゃ何とも言えねぇな。
だがもし本人だったら放置も出来ねぇよ。
国外逃亡されたら困るのは一理あるからな。
もしそうなったら一生見つからなくなる。
もしお前を捜索してるなら今度はそうする確率が高いだろうな。
俺は復帰した以上監視もされるし、俺の任務は抹殺だ。
失敗すればホムラはもちろん、光希達もJに殺される。
とにかくまずは奴の調査してどうやって偽装したのか調べる。替え玉を使ったのか、滝自身絡んでるのか、やりようはプロならいくらでもある」
確かに親父はどうやって生き延びたのかが疑問だよ。
死んだのは別人とか、それともこの映像の人が別人なのか
でも顔も親父だし、兄弟がいたなんて話も聞いたことない。
「ごめんね大輝、全部俺のせいだよ…
翔太さんとの事や復帰もする事になったり親父の事でまた迷惑掛けて」
「陽加じゃなく俺のせいだよ。
心配すんな必ず守るし、前にも言ったように俺を信じてくれるな?」
正直親父への恐怖がまた蘇ってきそうで怖いけど俺には大輝がいるし、
大輝がどんな決断しても信じる
「うん、協力もするよ咲哉くらい役に立てるか分からないけど…
あと光希はどうする?話す?」
「光希も井上靖雄の件には絡んでるしなぁ、
だから奴が襲わないとも限らない。
光希にも悠里にもJが24時間監視が付いてる。
復帰した以上護衛も含まれてる筈だ。
まぁ理由は俺への弱みになるからだがなぁ…
だが今光希に話すのは得策じゃねぇ、直人が騒ぎ出すかもしれないからな。
そうなるとJなら何するか分からねぇ、最悪口封じもあり得る
勿論危険になりそうなら俺が話すしすぐ隠れ家に移動せるようにする。
もし2人が上手くいってるなら守らねぇと。
そして家か来させた時に話すつまりだ、それでいいな?」
光希は今直人と付き合うかの瀬戸際だし、
大輝より頼りないけど一人にしてるよりは安心だね。
「分かった、俺は悠里さんにも悟られないようにするから」
これからどうなるんだろう?
大輝が殺されちゃうなんて事ないよね?
大輝がいなくなったら俺もう生きていけないよ…
それにしても分からないことが多いし、
あのクソ親父に会いたくはないけどなぜ生きてたのかは知りたい。
でもまた捕まってあの拷問な生活に戻るのは絶対嫌だ。
俺も大輝に武術習うべきかな?
でも力弱いし相手はあの親父だし、最近まで知らなかったけど
アメリカにいてCIA諜報員だったり大輝の宿敵立花グループの暗殺部に
いたなんて驚いた。
大輝は大輝でさえ殺されそうになった相手に俺なんかが倒せるわけないよ
「いやお前はしばらく休め、外で奴と出くわしたらおしまいだ」
「でも…」
「長期じゃなくていい、店に無理だと言われるようなら辞めろ!
今の状況を理解出来ないのか?
まだ俺も確信はしてないが井上が生きてるなら一大事なんだぞ?
関わった全員とJも溜まり場を崩壊されると脅してきてる。
俺らも早く片が付くよう努力する、だからここは従ってくれ?」
確かにそうだけど前は家の中まで来たし、、
えっ?ちょっと待って親父はここを知ってる筈
「あっ大輝!親父は引っ越した後のここに乗り込んできたんだよ?
居場所を知ってるのに何故乗り込んで来ないんだろ?」
「そう言えば俺を倒して鍵を奪ったんだったな、だが今は鍵もなくJも厳重に監視してる。
それを分かってるからかはまだ分からねぇが、
だとすると奴もJを知っていて警戒してる可能性がある。
そしてJを知ってるなら必ず奴にも協力者がいるはずだ。プロの情報屋を雇ってるのか、内通者も可能性はある。」
親父もJの事を知って動けない?
でもそんな事で怖気づく奴とは思えない?
俺は親父を誰よりも知ってる……
どんな手を使っても俺を…
あと協力者って誰だろ?
「Jは俺も監視してくれてるんでしょ?
なら外出しても大丈夫なんじゃない?」
「いやそれは今は判断出来ねぇ、
とにかくまず数日様子を見ながら俺も調査はしてみる。
陽加はサツの件の時の隠れ家にまた避難させた方がいいかとも思ってる。
とにかくバイトは休め、いいな?」
「分かったけど、
もし避難になったらあそこに今度は一人で居なきゃいけないの?」
「俺が仕事してる間はシロとしばらく居てくれ、
光希も行かせる事になるかもしれねぇ。
陽加ごめんな、こんな目にばかり遭わせて。
やはりあの時俺が仕留めるべきだった、本人だったならな。
滝を信用しすぎてたのかもしれない、
もしあの時の件に裏があるなら滝も敵として考えといた方がいいかもな」
「大輝じゃなくて俺と親父二人のせいだよ、巻き込んだのは俺だよ…
滝も親父と同レベルの技術なんでしょ?」
「ああ、そして東親子にJもホムラは拘束された上復帰したが脅迫されての事だ。ケイトって連絡役も東の担当でつまり誰も信用も出来ない。
陽加と光希だけだ状況を知ってて心から信頼できるのはな。
咲哉はいつも助言をくれた。正に今の意見がほしいくらいだ…」
いっぺんに色々起きすぎだよ…恋人兼仕事の相棒も完璧にこなしてきた咲哉みたいに大輝を助けてあげれないのが悔しい。
怯えて、逃げて、隠れて、捕まるの繰り返しだった。
俺もいい加減親父から背けるのはやめて立ち向かいたい
だけど今は何も出来ないし、とりあえず今は大輝に従おう
情報が分かってからだ
でもこれが本当に嫌な予感?
ただの勘だけどまだ何か俺には何かある気がする…
思い過ごしである事を祈ろう……
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