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103大輝の任務開始+咲哉の遺言と陽加の決断

《はるかー、私の陽加、パパともうすぐ会えるぞ? お前はパパから一生逃げられないよのさハハハハ》  親父が俺に手を近づけてきた 《いやーー大輝ーー!》 「うわっ!ハァハァ夢かぁ…かなりリアルだったなぁ」 夢でも親父に会うのは地獄だよ…昨日の今日だから仕方ないね 「おはよう、朝食出来たが大丈夫か?顔色悪いように見えるが」 「親父が出てきたんだ、もうすぐ会えるって…何かの警告なのかな?」 大輝は怪訝な表情になった 「かもな…俺達はこれから面倒事が起きる。 陽加も絡んでる以上はもう楽観的な事は言わないつもりだ。 狙われたりと危険が伴ってくるし、敵は複数だ。 大物政治家にJにお前の親父、警察機関も含めてだ。 いいか、俺以外信用出来ないと思えいいな?そして俺を信じてくれ」 「分かった、でも復帰したのにJも?」 「奴らはホムラを拘束させた上、東親子に発言力もある程らしい。 まだ何者かは知らねぇが少なくともただのいい政治家ではないのは確かだ。俺は井上靖雄抹殺の押し付け係だ。人質を作って強制的に復帰させて用が済んだら最後は殺されるか、東が勝負したがるかだ。 その前にホムラもどうなるか分からねぇ…」 「確かにJって組織自体まともじゃないよね人を殺したり悪い事ばかりで… あっ違うよ大輝がそうとは言ってないからね?ちゃんと更生したんだから」 大輝の表情は無表情になって無言で部屋から出てった 俺も慌てて着替えと整容してから食席に着いた。 「お前の言う通りまともじゃないし、 俺も任務と割り切って人殺しやもっとエグイ事もしてきたクズ野郎だ。 だから今回俺は陽加に見せた事もない俺を知ってしまうかもしれない。 ダークナイトとして本気で立ち向かう為だ。 前回井上靖雄を倒せなかったのは本気を出し切れてないからだ。 俺は訓練を受けていく中で教わることの一つに一瞬気が緩んだ方が負ける。 当たり前な話だが特殊部隊や軍、諜報機関では重要な事なんだ。 今回で全て終わらせる為に俺は闇にでも地獄にでも落ちる覚悟だ。 俺と居るのが、見るのが辛いならすぐ隠れ家の手配をしてやるぞ?」 「バカ、大輝のそういうとこ嫌い。 今回親父が生きてた上に東翔太さんと接点を持ったのも俺のせいで大輝も またJに入ることになったんだ。 それに大輝が好きだから最期まで着いてくし、死ぬ時も一緒だよ?」 死ぬのは怖いけど、大輝に万が一があれば…俺も必ず追うよ 「そうか…分かった、でも全力で守るからな?よしまずは食べよう」 朝食を二人で食べてシロにエサも出した。 今日から大輝は親父の調査をしながら裏をかいてJや東一家の事も調べてみるらしい。 バイトはあれから話し合って結局悠里さんの状況も確認がてら休まず行く事にはした。 監視も付いてるらしいし、帰りは大輝がけどもしもはタクシーで帰る事でまとまった。言わなかったけど大輝は悠里さんが心配で俺に報告してほしいんだと思う。もちろん悠里さんも狙われてるし、心配は当たり前だけど、それは大輝として?それとも恋人だった桐原大翔として? アアッ!まただ、なんで悠里さんにはこんな嫉妬しちゃうんだろう? 光希は良いのに、やっぱり二人の過去を知らないから? 光希以外は誰でも嫉妬する気がする。もし光希が直人と付き合ったら余計にだと思う。 咲哉も大輝の性格を理解してなだめてり、癒したりアドバイスまでしたりが出来ているのが羨ましかった。 俺は大輝に何をしてあげれるんだろう? 光希も監視が付いてる為とりあえずは伏せて時期を見て話す事になった。 「じゃあ俺は行くが、侵入者が入ってきたら教えた通りな?」 スタンガンと最悪は引き出しの一番下の蓋を開けたらサプレッサー付きの 9ミリ拳銃?を出して、一人なら不意を突いてスタンガンで倒して大輝に。 複数なら銃を取って二十扉のタンスの奥に入って大輝に連絡し、 到着前に見付かったら銃の出番になる… 使い方もとりあえずは教わった。 今日はバイトが休みだからシロと留守番 「分かった、大輝も気をつけてね? でも宛はあるの? あのクソ親父なら何してくるか分からないし大輝を恨んでるよ」 「いやっ、恨んでるなら奴はとっくに姿現してる筈だ。 今回謎な事が多いんだ。正直宛はないし、何から調べるべきかも。 とにかく今は井上靖雄を見つける事だ。それがJからの命令だからな。 だが東の一家も密かに調べてみる」 確かに昨日の話には意味不明というか不自然な点が多かった。 用心深い親父がいきなり復活した芸能人みたいにわざと晒してるし、 俺の居場所も分かってる筈なのに外でも出くわす事はなかった。 もしかして狙いが俺や大輝じゃないから? でもあんな異常で執着していた親父が俺を諦めてくれたとも思えない。 でも大輝曰く親父は反社会性人格かもしれないって。 だから何か企んでるのかもしれないと言ってた 「うん、行ってらっしゃい何か分かったら俺にも教えてね?」 念の為防弾ベストは着用してるらしい。パッと見分からないけど。 「ああ、お前も今日は出るなよ?そんなに遅くはならねぇ。 あっ陽加万が一俺が生け捕りにされて人質にされても何も従うな? 例え俺が何されようがだ、従っても俺は喜ばねぇ、約束してくれ」 「約束はしない!だからバカだって言ってるの!決断するのは俺だし、 逆にお願いしたら大輝は従わないと保証出来るの?」 「ハァホントアイツと同じだ…」 えっ?小声で聞こえなかった 「無理だな、でもお前と俺とでは立場が違う。 その時の決断に任せるよ、じゃあな」 ガチャ 全くもう、大輝が無事に帰ってきますように なんか仕事に送り出す奥さんみたいで少しドキドキした。 それから掃除や洗濯と家事を済ませていった。 やっと一息ついた頃 ウィーン…ウィーン ん?光希からだ… まだ言えないけど隠し事するのは気が引けるなぁ。 普通に明るく会話できるかな 「もしもし」 《ヤッホー陽加》 「光希、あれから直人とどう?」 《うーん、ちょっと前進してるかな?直人も大事にしてくれるしデートも楽しかったよ、でもエッチだけは大輝の方がいいかな?》 元気そうで安心した。上手くいってるみたいだね 「相変わらずだね、でも俺も大輝と2人で生活してみて新婚みたいですごく嬉しいの」 《ふーん、俺っちはやっぱ邪魔だったんだ?》 「あっ、違うよもちろん寂しいけどなんか2人で暮らすって暴君の正人だけだったし、こんな彼氏が優しくて幸せな生活経験がなかったからつい」 《分かってるよ、2人が幸せならそれでいいけど。 まだ直人と恋人ではないからどうなるか分からないよ? 俺っちと直人が両想いになって初めて付き合えるんだから》 「そっか、大輝にも伝えとくよ。頑張ってね」 《陽加は大丈夫?トラブルとかもない?》 ないと言えば噓になるけど、光希ごめん。 怒るだろうけどちゃんといつか大輝と話すから 「うん、大丈夫こっちも心配しなくていいから、シロも元気だよ?」 《良かった、今度一緒に散歩がてら遊びに行こうね?》 「うん、じゃあまたね、直人によろしく」 ハァ…光希に隠し事は辛いな。 それに俺も大輝を助けれないかな? ねぇ咲哉…俺どうやったら咲哉みたいに大輝を助けれるかな? もう誰も失いたくないんだ! ドン! 「アンッ…アンッアンッ」 えっ何今の音? シロのいる部屋だ 「ごめんね驚いちゃったね」 「アンッ」ペロッペロッ 少し戯れてからケージに戻して調べたらタンスから大きめのカバンが落ちたみたいだけど俺は見た事ない。なにこれ?大輝のかな? 開けてみるとまず黒いノート一冊と医療器具から工具等色々入っていた。 PCも一台入ってた。 まさかこれって、ノートを大輝のデスクに座り確認してみた。 なんと1ページ目に手紙があり、俺宛だった。 《陽加へ、直接渡せなかったけど見てるなら気付いてくれてるかな? もう僕はこの世にいないよね? だから今後大輝をサポート出来る人間が必要になる。 もしまた危険な事に挑んでいるなら彼1人では立ち向かうのは難しいのさ。僕は数年彼のバックアップサポートをしてきてよく分かるんだ。 彼は命も惜しまず暴走しちゃう事もあってね、 それを抑えるのもパートナーの務めなのさ。 でも僕にはもうその役目は出来ないらしいね。 だから恋人であり大輝が一番信頼してる君に僕の全てを託すね? ノートには僕の得意分野だった医療技術にキー解除からPCプログラミングによる例えば監視カメラのハッキング等の裏支援が出来る細かい方法やホムラと僕しか知らない隠れ家や武器庫も記載したから。 君なら覚えられるよね?必要ないなら焼却してくれてもいいよ。 でも関われば危険はあるけど大輝のサポートをしてくれるなら頑張って。 最後に幸せになってね陽加、光希、大輝  咲哉からの最後の贈り物》 咲哉……ウウッウッ 泣いてる場合じゃないよね? 咲哉俺の願いを聞いてこれを落としたんだよね? 大輝をサポートしてやってと。 ありがとう咲哉、俺頑張って覚える。 大輝や皆の為、咲哉の為にも。 今は大輝に心配掛けたくないから今は内緒にして少しずつ覚えていこう 記憶力はいい方なのは咲哉に話したことがあった。 ページ数は多いけど時間はそんなにはないから 優先順位をつけて例えば撃たれた際の治療法や咲哉だけが知ってた 闇医者の連絡の仕方も記載されてる、その辺りから早速始めよう とにかく1度しっかり目を通してみよう

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