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104大輝、Jの調査任務開始《大輝視点》

陽加は何も分かってない、俺が本気になってしまえば感情も抑える。 行動を見て耐えれるとは思えない… とにかくホムラはもちろん、陽加達に何か起こる前に奴と東、必要なら親父も含めて抹殺するまでだ。俺の元相棒や大事な奴らを人質にしやがって! 結局井上も東もJの連中も同じだ。 咲哉はずっと早く縁を切らないといつか後悔するといつも言ってた。 本当にその通りになっちまった。 今こそお前に居てほしかったよ… お前がいたから俺はここまで生き延びられたんだ、俺はどうればいんだ? ハァ今は嘆いてる場合じゃなぇな今はグズグズしてられねぇんだ。 整理してると奴と滝は恐らく手を組んであんな茶番をして井上を救った。 俺に軍事的な特殊訓練を叩き込み、戦術も多く教わってきた。 俺の知る滝は酒癖は悪いが尊敬出来る人間だった。 不思議なのはもし推論が正しければなぜ俺を殺さなかったんだ? 井上を偽装死させるより遥かに簡単な事なのに…何か企みがあるか? 今は昼間だし、溜まり場行っても居な…いやっあの滝なら絡んでると踏んであそこには姿を現さない可能性が高いな。俺が行けば情報も伝わるだろうし、なら宗太郎に聞いてみるか スマホで掛けた 《もしもし?大輝かどうした?》 「一つ聞きたいんだが、滝は最近来てるか?」 《滝?たまにな、この前東京に戻ったらしい》たまに?掛かったなかもな 「戻ったのか最後いつ顔出した?」 《3日くらい前だな》 「そっか、なら見たら連絡くれ、滝にも言わずに頼む」 《またトラブルか?メーカーさんよ。まいいけど。 あとそう言えば直人と光希同居したんだって?一体どうなってんだ?》 「その話はまた話す。とにかく今は滝の件頼むな?」 《分かったよ来たら伝えてやる、じゃあな》 滝の野郎わざと誘い出そうという気か? それとも他に狙いが? とにかく奴を見つけて話したいが奴は俺の教官でプロ中のプロだ。 仮に捕らえて尋問しても拷問も効かないし、弱みさえない男だ。 口は閉ざすだろう。だがこっちも仲間や陽加達の命が掛かってる。 こっちもどんな手でも使ってやるからな滝?教え子と対決なんて皮肉だな。 今はコイツが唯一の手掛かりだ。 何か事情があるなら話す可能性もあるし、下手したら俺が殺される。 今回は敵として扱う、アンタに教わったようにな… 万が一敵と断定したら容赦しねぇぞ、アンタでもな… とにかく一つ手掛かりが出来た。 ウィーン…ウィーン 電話だ、番号がない保護回線か 「俺だ」 《どうもダークナイト、一つ進歩したようね?》 「分かったならなぜ教えない?時間の無駄にしたいのか!」 《勘違いしないで、私はあくまでブラッドの連絡役で貴方はホムラが拘束中なのと命令でついただけよ》 「ホムラは?」 《一応彼もプロなだけあって何も話さなかったし、尋問は終了されたわ。 後は貴方次第で解放される》 よく言うぜ、解放はつまり抹殺される。そういう掟なくらい覚えてるさ。 俺も仮に井上や東を倒しても用が済めばJは抹殺するか利用し続けるだろうな。俺はどうなってもいいが、陽加達は何としても守らねぇと。 「まだ情報あるなら教えろ、俺も知りえた事は伝えるが時間の無駄はそっちも省きてぇだろ?」 《上の命令なのよ?自分で突き止めなさい。 貴方が抹殺に失敗したのがそもそも原因なんだから》 「相討ちになりかけたのを滝に邪魔されたからだ! アンタは随分融通が利かねぇな杓子定規で上が上がって事務的にしか行動できない。そんなオペレーターじゃいずれ死人もでるぜ?」 《忘れたの?こっちには人質がいるって事を…》 多少焦り始めた偉そうに余裕こいてムカついてたしな こっちも力がある事ぐらいははっきりさせねぇとハイハイ聞く犬になるだけだ。陽加達には悪いが賭けてみるか 「ならはっきりさせてやる 上層部に言えよ?今すぐ全員殺せばいい、 だが俺を本気でキレさせたらどんな結果になるか経歴を見てるなら分かる よな?Jの拠点は知ってる、お前も含めて一人一人皆殺しにしてやる、 ハッタリだと思うなら切るなり奴らに聞けばいいさ、お前も消されるだけだろうがな?」 少し間が空いたが響いたならいいが、 だがこれは脅しではなく俺の本心でもある。 《ハァまいいわ、 これも自力で突き止めさせるよう言われてたけど 井上靖雄は毎週ではないけど火曜日に奥さんの墓参りをしてるみたい。 でもかなり警戒はしてるし、誰かガードマンなのかつけてるのよ。 その人物は滝ではなく特徴はとても若く貴方と同年代くらいかもしれないし、若く見えるだけかもしれないけどとにかく別人よ、特定は出来てない。 少し住宅街から離れていて場所的にスナイパーも配置できないのよ。 近づかないと倒せないけど一番は陽加なら近づけるんじゃない? 陽加にナイフか銃を持たせるとかして…》 このクソ女!陽加にそんな事… それに滝以外にも仲間が居るのか? 「ふざけんな!陽加にそんなリスクも殺しもさせねぇ、俺がやる事だ! まだ情報は少ないがもしそこでやる事になったらバックアップは期待していいのか?」 《それはもちろんするわ、 どのみち証拠も必要だから衛星使ってサポートするわ》 「分かった一度様子は見に行くし、溜まり場の仲間に滝が現れたら話も聞くつもりだ」 《経過報告はして頂戴ね?あと全て揃った装備も今日着くわ、 拳銃は全てサプレッサー付きで今回はライフルも念の為サプレッサー付きで送ってるわ。滝という人物との関係性は知ってるけど今は敵として扱って?接触時も銃を携帯した方がいいと思うけど任せるわ》 「ああ、分かってる。アンタもその若い仲間の事を探ってみてくれ、敵の事は知っておきたいからな」 《ええ任せて、じゃあまた掛けるわ、頑張って》プツン 墓参りか…奴も一応は人の心があるって事か? 俺も最後かもしれねぇし、陽加連れて両親の墓参り行くか… 《優しく思いやりのある人間になりなさい大翔》 《大翔……ごめんね、貴方は絶対生きなさい》 《母さーーん!何でだよ…何で俺らばかり…クソーーー》 2人は偉大な警察官と検察官だったのに、 俺はクズにまで落ちちまった上殺し屋と言い訳して多くの命を奪った。 とにかく今は二つの情報を手に入れた。墓の場所は陽加に聞こう。 もう一人も気になるがそいつもプロだろう。 俺が近づくのは容易じゃないな複数なら尚更な、こっちにも援護できる奴がほしいくらいだが俺はJ以外の伝手もない。 何とかするしかないな… そして滝は確かにそれなりな準備をして会いに行くべきだがアイツの事だから気付くか来るのを予測してる可能性が高い。 何とか奴の背後に回って主導権を握れればいいが… 繁華街で知り合いに少し聞きまわってから帰ろう まずは滝からだ、複数相手じゃ分が悪すぎる。 だが1対1なら俺にも勝算はある。 確実に釣ってく方が得策だ。 だが一体何故なんだ滝… 《陽加が好きなら逃げずに側で支えてやれ》 そう言ったのはアンタだろう! それがなぜこんな事に? 誰かが泣き始めたかのように曇ってきて雨が降りだした

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