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109滝の情報とJから新たな指令
大輝遅いなぁ、俺は治療とかの医療をまず優先にやる事にした。
同じ治療中の方法や注意点を何度も見返して一つずつ頭に入れてる。
ガチャン
あっ帰ってきた…PCはカバンに入れて隠した
「ただいまー」
「お帰り遅かったけど無事で良かったぁ」チュッ
「ごめんな、でも滝に会えたぜ」
会えたって?
「滝は親父とグルじゃないの?会ったって…」
「ああ、女に最初は銃で誘導されて場所に着いて抵抗はしたが、
その後は滝が現れて話した」
それから全てを聞いた。
滝と親父の関係性や親父が組織を作って何か始める気だとか、
Jに首相が絡んでる可能性もあると言う事まで。
「滝は信じていいと思うけど
Jが政府や政治家絡みなら大事じゃない?
あとNGTって組織も…しかも親父がボスだなんて」
「俺も上層部の顔すら知らねぇから何とも言えねぇが可能性は高そうだ。
政治家かあるいは世間に知られてない裏で国を操る老人共もな…
あと最終手段みたいに言われたがこの滝の古い友人も気になるが今はコイツは様子見だな。とにかく言ったように俺らは誰も信用出来ねぇって事だ。
滝ももうあそこには戻らないような言い方だったしな」
やっぱり俺も行けば良かったかも…今更だけどそんな気がする。
「でどうするの?Jに話すの?」
「Jの監視は上手く滝が凌いでくれたらしいから多分大丈夫だとは思うが
問題はこれからだ。いくら向こうが待っててもJは待ってくれねぇからな」
親父の居場所の心当たり思いつかないかな…
ウィーンウィーンウィーン
大輝のスマホだ
「Jだな、恐らくケイトだ」
「スピーカーで聞かせて、お願い」
悩んではいたけど
「もしもし?」
《経過報告してもらうけど貴方に張り付いてる見張り役の証言から上が怪しんでるわよ?》
「どういう事だ?」
《貴方さっき滝を見つけて確認していた、でも突然消えてから警察の職質受けていた、彼は付近に居なかったと言ってたけど終わった途端に貴方がいつの間にか最初の場所に居たとね》
「それはその監視の凡ミスだろうが?俺のせいじゃねぇだろ!
滝が消えて探してみたが居なかったから戻って帰っただけだ」
《本当は滝に接触したんじゃないの?わざと見張りを足止めして》
もしかしてバレてるのかな?
「しつけぇぞ!仮に滝と会ってたなら今頃どちらかが死んでる筈だ。
違うかケイト?」
《実際滝は居たのにまた貴方が戻ってから全く足取りが掴めないのよ?
それにそこよ、死人が出てないから不信なのよ。
まぁどのみちここで言い合ってても上は納得してないけどね?
だから…一つ確実に出来る任務を与えられたわ、暗殺よ》
やっぱりJも腐った組織じゃないか!大輝を脅して従わせて、
違う仕事までさせるなんて
「なに?ふざけんな!俺は井上関連だけでの復帰が条件の筈だぞ?」
《上に不信感を抱かせた貴方が悪いのよ?
やらないならそれでもいいけど?早く結論して今よ!》
大輝……
俺を見てから悔しそうな顔して…
「クソッ!分かった、標的と場所は?」
《場所はメールで送るし大物で自宅もセキュリティーががっちりしてるからカメラは切るし、暗証コードもメールに送付するわ。
で相手は私も驚いた程の相手よ》
誰を暗殺させたいんだろ?
「でその標的は誰なんだ?」
《今は野党の平和党前代表にして前内閣総理大臣、太田昭文よ》
ええっ!前の総理を大輝に?
「なに?それはあのババア総理の命令か?東の親父か?」
《ババアはよしなさい、勿論東さんもだけど上層部もよ
最重要案件らしいわ》
もうついていけないよ
「党が違うとはいえ太田だって5年も総理をやってたんだし、そいつも
Jと繋がりはあった筈だ!何故今更暗殺したいんだ?口封じか?」
《いいえ、彼は正義感はある元陸上自衛隊員で温厚誠実なそこまで野心家でもない穏健派よ?
閣僚の不正や政策の失敗や外交などでの弱腰が非難されて
支持率は落ちて政権交代と退任にまでなったけど、
彼自身は不正や悪事は一切しなかったくらいよ。
あの立花グループの不正が公になった8年前彼は厚労大臣でほかの閣僚や幹部議員が逮捕された中、彼は対象にもなかった。
そして彼は総理大臣になったのよ
Jの存在を当時知ってたら絶対総力で解体されたかもしれないわね》
「なら暗殺の動機は?」
《彼は政界からも引退したけどそれからJの事を最近知ったのよ。
出所は調査中だけど彼は調査していて総理や東さんを含む複数の大物が関わってる事まで突き止めた。彼の性格からして政権交代を悔しがるタイプじゃないし、引退もしてるけど彼は証拠を固めて世間に公表するつもりよ。
まだ彼も時間が掛かる筈だしすぐにでも実行してほしいそうよ?
中に入ったらカメラは切らなきゃいけないけど証拠に遺体の確実な画像を送って?失踪に見せかけるから遺体は持ち出してから処理もしといて》
「なら血が出ないようやるしかないな。
見取り図や護衛官達がいるだろう?配置も頼む」
《分かってる、バックアップもする。明日の夜決行よ?》
「明日だと?早すぎる!よく作戦を練らねぇと」
《これはお願いじゃなく命令よ?そこを忘れないで朝までには全て送っておく、装備はあるから大丈夫でしょ?方法は任せるけど遺体の証拠は見せれるようにしておいて、弾薬の補充もいつでも言って?それじゃ》
切れた…
大輝は難しい顔してる、そりゃそうだよね?
「明日だなんて…しかも相手は前の総理大臣。大輝どうするの?」
考え事して無言だけど何考えてるの?
「引っかかってる事がある…」
「何?」
「根拠はねぇが滝が言ってた友人と太田前総理は同一人物かもしれない」
「滝と太田総理が知り合い?そんな事ある?共通点もないし」
「いや陸上自衛隊だ、年齢も近いし滝も穏やかな奴だと言ってた。
考えてみろ?全て辻褄も合うし、本当に記録通りの性格と滝の友人なら信用出来ると俺は思う。Jの撲滅を目指してるなら尚更生かしとく必要がある。誠実な政治家なんかそうはいないからな、逆にNGTの事も含めて一網打尽に出来るかもしれない。その為には中間役に出来る」
「なら暗殺は?電話して警告するの?
大輝の事を知ってたら信用してくれないよ?」
「勿論しない、電話で言っても信じないか警戒されるだけ。
Jも俺からが警告したとバレる、信用はこっちもまだしてねぇさ」
「じゃあどうするの?このまま殺しちゃうの?」
「方法は考え中だが暗殺はしねぇ、むしろ味方に付けれたら大きな存在だ。元とはいえ総理大臣にまでなった男だ、まだ人脈や力も持ってるだろう。
今は何とか家から出して死体は身代わりかなんかで死んだことにさせて、
カメラを切るから説得出来たら家から連れ出してもバレない。
で家に連れてきて匿って話し合って協力してもらえるかだ。
まぁ状況的にバカじゃなければ太田前総理も協力は期待していいだろう。
Jについてどこまで知っているかが重要だ、恐らく情報提供者は滝だ。
問題は身代わりなんだ、ホムラか咲哉が居れば何とかなるんだがな」
身代わりの遺体…そう言えば項目にあって見た。
ホムラと咲哉が冷凍保存したそれぞれの老若男女の遺体の保管場所が記してあって解凍させて決まった時間で撃って血は血塗りを使うと。太田さんは聞いた限りではいい人そうだけど60過ぎとはいえ滝と同じ元自衛隊員だし、分からない。けど今は他に力や情報があって頼れる人もいない。
「大輝実はね咲哉から遺言をもらったの」
当たり前だけど大輝は驚いた顔してる、俺に詰め寄り、
「どういう事だ陽加?何をもらったんだ?」
俺は見つけたとこから全て話した
「言わなくてごめん、でも助けれるようになったら言おうと思ってたんだ」
「ダメだ!余計な事は覚えなくていい、裏に踏み込もうとするな!」
やっぱり怒った…
「もうとっくに踏み越えちゃってるじゃないか!
これだから言わなかったんだよ!反対すると思ったから」
「当たり前だバカ!俺やお前の親父を見てきて学んでねぇのか!
裏に染まればもう抜け出せなくなる、咲哉には悪いがこれは俺が没収だ」
「絶対ダメ!俺はもう既に危険だらけな生活してるんだよ?
隠れるだけじゃすぐ捕まるか殺されちゃうよ!
大輝だけの為じゃない、俺自身や光希に悠里さんもだよ?
今は太田さんも助けたいんでしょ?
俺遺体保管してるホムラさんと咲哉だけ知る場所知ってるし扱い方も覚えたし出来るのは俺だけ、違う?
医療を中心に今は覚えてるんだ。お願い手伝わせて?
協力し合うのも恋人でしょ?咲哉はよくて俺は信じられない?」
やっぱり喧嘩になった、でも今回は譲らないもん。
咲哉に託されたし、俺自身助けたいから
「アアッ!本当にお前ってやつはそういうとこは頑固だよな。
分かった協力してくれ、ハニー?
但し俺の指示には従う事と無理に出しゃばりすぐるのも命取りになるからな?」
「ありがとう大輝、咲哉も安心してるよきっと」
怒るのも俺を心配してくれてるからだよね?
大輝は優しい素敵な人だよ
「だといいがな、とりあえず朝ケイトからメールが来たら作戦を決めよう。救出はするが滝同様会うまでは味方と断定はしないから警戒はする、
救出時総理の付き添いが必要だ、陽加一緒に来てくれるな?」
なんかやっと頼ってくれて相棒って感じがする
「もちろん」
「偽の証拠は送信したら焼却するが世間では失踪という形でJも納得するさ。とにかく一晩考えてみる」
流石に深夜にやっていて明日の事考えてエッチも出来ず寝た。
色んな事が起きてるんだな、小野田総理も普段は当たり前のようにニュースに出てるけど裏ではJだけか知らないけど裏組織を操って前総理を口封じしようとしてるなんてドラマもいいとこだよ。
でも前だけど総理大臣に会えるってなんかワクワクする。
あの小野田総理は嫌な感じがするし、強硬的で嫌いだけど。
2年前だし太田総理はいい印象ではあったのは覚えてる。
とにかくまずは明日を乗り切ろう
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